東急ハンズとデレマスがコラボしたときに岡崎泰葉が紹介していた木材を持って、日本各地の霊山を登り倒すそんな旅、日本七霊山の旅。
2016年にスタートしたこの旅も、2022年GWに奈良の釈迦ヶ岳・大峰山に登頂し残り2つを残すのみとなりました。
今回は2022年7月2日~3日の白山山行を記事にしていきたいと思います。
- 出発まで
- 7/1 退勤〜出発
- 7/2 金沢駅〜別当出合登山口
- 別当出合登山口〜甚之助避難小屋
- 甚之助避難小屋~黒ボコ岩
- 黒ボコ岩~白山室堂
- 白山室堂ビジターセンター
- 7/3 白山室堂~御前峰
- 御前峰~白山室堂~別当出合登山口
- 別当出合~金沢~東京~所沢
出発まで
GWに七霊山の旅を進めることができて、いよいよ2022年中の完遂が現実味を帯びてきました。
松山に住んでいたときならともかく、首都圏在住の今、北陸エリアはぐっと近くなっています。
そして、2022年は暦のめぐりもよくて、七霊山の旅の原動力となっている岡崎泰葉の誕生日の7月16日が3連休初日の土曜日となっています。
誕生日に七霊山の旅完遂…!それはとっても素敵だなって…。
その筋立てに向けて、計画を練り始めることとなりました。
まず白山と立山のどちらを先に登るのかという問題。
これについては立山連峰の美しさに魅せられたことから、立山で旅の締めくくりにしたいということから白山→立山の順に決めました。
こうなると懸念は梅雨と、二つの山行のインターバル。
7/16に立山に行くとして、その前に白山に登るタイミングでは北陸の梅雨は明けていないだろう。明けていないだろうにしても夏寄りがいい。
じゃあ7/9,7/16と2週連続で白山立山行くか?これは体力面もだが、7/9の白山が雨で流れた時点で7/16立山も流れてしまうという余裕のなさが嫌だった。
7/2に予定を取っておけば、もしそこがダメでも有給を7/11に取って7/10にリトライすれば良い。こういう発想ですね。
白山一回行くのにかかる予算を考えると、この雨で流れても翌週もう一回、チケット切符を取れば良い。今振り返るとこの判断はもうかなり視野が狭まっていたのかもしれないですね。7/16立山登頂のために、そのために全てのリソースを割いている。
ともかくも日程が決まったので、次は行く方法を決めます。
白山登山は七霊山中でも最もタフな山行になると思っているので、自家用車は流石にパス。
過去に一度白山登山口まで運転したこともありましたが、あれを夜中にやるのも怖い。
北陸新幹線〜前泊で石川入りも考えたんですが、職場から直接東京駅に向かうことになり新幹線に持ち込む荷物が結構とんでもないことになります。
最終的に辿り着いたのは、都内在住の友人の力を借り…。
退勤→友人宅で着替えなどしてスーツ、革靴等預かってもらう→東京発金沢行の夜行バス→金沢から白山まで直通の登山バスで別当出合の登山口まで向かうというもの。
持つべきものは都内の友とはよくいったものです。
ルートも決まり、できる範囲での体力増強、体調調整、登山路の確認、山小屋の予約…。諸々の準備を整えてようやく7/1夜にまで時間は進みます。
7/1 退勤〜出発
19時に定時上がりで仕事を終え、電車を乗り継ぎ友人宅へ。
そこで着替えさせてもらって、山用の装備をまとめる。駅近くのカレー屋さんで夕飯をとり、同じく駅近くのスーパーで水と羊羹を仕入れて出発。
22時過ぎに東京駅八重洲口近くから出発する深夜バスで金沢まで向かいます。最前列のためいくらか足元が広いのがありがたかった。
毎度お馴染みノイキャンイヤフォンでASMR聞きながら眠る。道中幾度か目覚めましたが、バスは着実に金沢に進んでいます。
7/2 金沢駅〜別当出合登山口
バスに揺られること8時間ほど。朝6時半に金沢駅到着しました。
写真からも伝わるでしょうか、見事な青空。夏の青だ…。
ただ翌日の日曜日は天気の悪化が予報されていたので、こんな気持ちのいい時間帯は今日だけなのですが。
金沢駅から一駅隣の松任まで電車に乗り、ここ松任駅前で白山直行バスを待ちます。
松任駅からは白山がよく見えました。
松任駅コンビニでおにぎりを買って朝ごはんとし、停留所前で待っていると同じように山登るんだなという装備の人がチラホラと。
この時期に運行されている白山直行バスはマイクロバスでの運用で、座席が埋まるとそれ以上乗れないと聞いていて、そこを心配しましたが並んでいる人数を見るに大丈夫そうです。
程なくバスがやってきて順次乗り込みいざ出発。
深夜バスで眠りが足りていなかったのか、行きのバス車内では寝落ちしたりもしましたが、揺られること1時間半ほどでバスは別当出合の登山口に到着します。
別当出合登山口〜甚之助避難小屋
今回使用するのは別当出合〜甚之助避難小屋~黒ボコ岩~白山室堂~山頂御前崎の通称黒ボコ岩ルート。ベースタイム4時間ですね。
登山道を進むときいくつかの区切りを設けて「ここまできたら後半」とか「ここからは前中後編の中編」とか自分の中の目安を持つってことを意識してかせずにかやっていたりします。
とはいえそういう区切りはほとんどは来た道を戻る帰路において初めてできるもの。初めて進む道は登山地図見て予想することになるのでなかなか目印、目安を置きにくい。
このルートを登って降りてきた今になって振り返ると登山口~甚之助避難小屋、~黒ボコ岩、~白山室堂、~山頂という区切りで様相が変わっていて、全4編という印象を受けます。
というわけで、まず第一区間、別当出合を出発してから甚之助避難小屋まで向かいます。9時45分。準備運動をして出発。
別当出合をでるとすぐに橋を渡って山に入ります。わかりやすくダンジョンの入口感があって好きです。
ちなみにこの地点の標高は1200m。目安として標高100mごと0.6℃下がると言われているので海抜0m比7℃ほど涼しいはず。気持ち涼しいかな…というくらいで、荷物担いで登り始めたら程なく汗をかきはじめましたが。
別当出合から入ってしばらくは森の中を進みます。
出発してすぐに分岐路の案内がありました。登り下りで別ルートを使うというものですね。
間違えないように中飯場・室堂の方に進みます。
途中で、工事車両用の道と交差したりもしながら延々歩いて標高を上げていきます。
道はこのようにしっかりわかりやすく道迷いしそうになったということはほぼありませんでした。視界もよくて人もそれなりに多かったのも良きですね。
雲が近い…
更に歩いて出発から2時間半。火口域から2km圏の表示が。
そうです、白山は活火山。直近の噴火は1659年と400年弱は噴火していませんが。白山登山に際してヘルメットを持っていくかどうかを一考したりもしました。
考慮に入れた上で、それでも持ってこなかったのでここから先はよしんば何か起きても自己責任と腹をくくっておきます。
甚之助避難小屋につく直前のこと、とうとう雪の残る場所にぶち当たりました。
7月といえどさすが北陸の白い峰、登山道にも雪は残っています。
ただ、この日のために登山靴を新調している。しっかりとグリップを効かせられる。やっぱ新しくして良かったー、と思いましたね。
甚之助避難小屋で休みながら、ようやく森林地帯を抜けて眺望が良くなってきました。山肌に残る雪も視認できるようになってきます。白と緑が目にいい。
甚之助避難小屋~黒ボコ岩
甚之助避難小屋を出発して第二ゾーンに入ります。13時50分。出発から4時間あまり。この時点で標準タイムから2時間遅れています。遅れていますが焦らない。そんなことはもとより承知の上で朝一から来ているのです。
実際体力的にはどうだったのか?と言われると、たしかにしんどかったけど体が動かないというような疲労ではなくて、息が上がらないようにゆっくりゆっくりと意図して歩いているというのもあります。
奈良・大峰山では前半と後半でペースを崩してしまいました。その反省を活かしていく。やるなら一貫してスローペースで楽しく登ろう。
甚之助避難小屋を出発して程なく、室堂まで2キロの表示と南竜ヶ馬場という野営場への分岐が現れます。
今回はテント泊ではなくて山小屋泊ですので室堂に向かいます。
森林地帯を出て、山肌に沿って眺望の良い道を進んでいくとこのあたりから、山肌に残る雪が大分近くに見えてきます。
そして、とうとう雪渓を横切る道に至りました。
(この写真は翌日下山中に取ったもの)
そして、ここが白山登山、もっというと七霊山登山中で一番危ないポイントとなったのです。
まず7月ということもあって、既にこの雪渓は結構厚さが薄くなっていました。
土跡が大分ついていることもあってどこを歩けばいいのかということに悩むことはありませんでしたが、その足跡のすぐ脇には誰かが踏み抜いたであろう穴も見えます。そうでなくとも、左右の土肌が見えているところから雪を見ても、もう大分薄くなっていることもわかります。
写真には写っていませんが、この左側が谷方向になっていて、踏み抜いてスリップ、転倒すると、そちら方向に滑落という危険もないではありません。ただでさえ常人よりも重い体重、荷物も含めたらこのときの自分は130kgにも迫ろうかという重量だったはずです。踏み抜く恐怖との戦い。
自分の前の人が先に渡っている間、まさに渡ってきた人と少し話をしていました。
「いやー、雪の上渡るのほとんど始めてなんで怖いっすね」
「大丈夫、一歩一歩行けばこけないからね」
とアドバイスをもらったりしていると、前を行く人が渡りきろうかというところだったので、自分も渡り始めました。
まず進み始めてすぐの進行方向右側にある穴を踏み抜かないよう、またその近くは薄くなっているでしょうから、十分に注意しながら。
半分以上渡って、あとは平坦な雪面を前に進むのみ、というところで後ろから声が。
「岩!」
ハッとして目線を回すと自分の右側上方より落石あり。大きさは自分の頭より少し小さいくらい。
直撃圧死というサイズではないですが、ぶつかって谷側に体を持っていかれたら落ちてしまう。当たりどころが悪ければ直撃自体も大ダメージに繋がりうる。
どうする…!?と考える間もなく、今自分がいる場所は直撃コースにはなかったので、ジッと見てやり過ごすことに。数瞬後、自分の数歩先のところで横切りゴロゴロと転がり落ちて谷底に落ちていきました。
こ、怖え~…。
上方への注意が足りなかった…。なんとか雪を渡りきって一息。
後ろから声をかけてくださったマダムの皆様を待って、お礼を。危ないところを助けていただきました。
冷静になると、このとき後ろに人が待っていなかったら…、自分は気が付かずに数歩進んでど直撃していたんじゃなかろうか…。自分で気がつけていたか?
後から山のリスクマネジメントって本を読んだときに、「雪上では落石が静かに落ちてくるので、特に注意」という旨のことを書いていました。注意不足、勉強不足と今になって思うと…。
かえすがえす、あのとき咄嗟に声を出してくれた方には感謝しかないです。
雪渓を渡るのに緊張したのか、ここらで少し息を整えていると、不意にガスってきました。
山の天気は変わりやすい。まだ先は長いのでゆっくりゆっくり進み始めます。
つづら折りの石段となっている道を歩きながら登っていく。
途中、霊峰白山延命水が湧き出ていました。
これが2022年GWにふもとの白山比咩神社で飲んだご霊水の大元か…!
このとき時刻は15時。登り始めて5時間が経過しています。
16時を回るようなら、山小屋に一報入れないといけない。そんなことを考えながら、自分は焦り始めていました。
登り始めて一向に、まだ白山山頂を拝んでいない。松任駅やかつて東尋坊から臨んだあの山体はどこに…。
そう考えながら、つづら折りの道を終え黒ボコ岩にようやく到着。
黒ボコ岩~白山室堂
黒ボコ岩の標高は2320m。登り始めてからすでに標高差1000mを稼いでいます。
今日の宿になる白山室堂ビジターセンターは標高2450mなので、高さの面ではほぼほぼ稼ぎきったような感じ。しかし、室堂の赤い屋根はまだ見えない。
ガスっている中、黒ボコ岩にて最後の休憩と水分と行動食を摂って、案内に従って進みます。
程なくすると、霊峰白山登拝道の碑と、木道。
そして…
伸びる木道の先には、白山山頂が!ようやく見えた!
…いや、写真だと雲がかかってますが、歩いているときはきれいに見えたんですよ。
こちらだともう少しわかりやすいかもしれません。
ゴール、最終目的地を目にしたこともあり気持ちも軽やか。涼しい風が吹く木道を白山の絶景を見ながら心地よく歩く。
こういう心地よい体験、素晴らしい景色を見ているとき、山登りってやめられねえなあ…!という気持ちになります。
身体は過去にない標高差や重い荷、強行軍のためにヘトヘトだったでしょうが、足取りも軽く白山室堂に向けてラストスパートです。
白山室堂に向けて最後にわずかにある登りをえっちらおっちら歩いているとき、体感の身軽さとは反対によっぽど歩みが重かったのでしょうか、すれ違う方に「頑張って」と声をかけられました。
「ありがとうございます。いやー、しんどいっすね。」「しんどいけど、でも登っちゃうのよね」とすれ違いざまに会話をしたことが妙に記憶に残っています。
しんどいけど登ってしまう…。その先の何故には各々に答えがあるのでしょう。私にとってそれは…。
程なくして、見えた…!赤い屋根!!
時刻は15時45分。コースタイム4時間のルートを6時間弱たっぷり使って登りました。いやー、疲れました。
白山室堂ビジターセンター
山小屋で受付をして、同じくらいに到着した1グループと一緒に部屋の案内、施設の説明を受けました。
白山室堂ビジターセンター、山小屋とは申しますがパーティション、カーテンで区切られた個室のような二段ベッドの1エリアを割り当ててくれますし、乾燥室などの設備もあり、トイレもきれい。
荷物を置いて汗を拭うなどして一息ついたら、ビジターセンターの周囲を散策していました。
まず本館と宿泊棟の真正面には白山神社奥宮が白山・御前峰を背に構えています。
この奥宮脇に御前峰に向けての登山道が続いています。翌日はこの道を登っていくこととなるわけですね。
またビジターセンター近くには、高山植物の花がたくさん咲いているエリアもありました。白山は花の百名山にも選ばれるほど花の豊かなお山でもあります。
そんでもって17時。夕食の時間です。
食べさしで申し訳ないですが、夕ご飯がこちら。
いいのか…山の上でご飯、汁物、おかずのしっかり揃ったご飯をいただいても…!
しかもこれありがたいことにご飯と味噌汁おかわり自由なんですよ!大事なことなので二回言いますが、ご飯とお味噌汁おかわり自由です!
おかずも塩味のしっかり効いた白米に合うラインナップで嬉しいね…。標高2400mで魚のてりやきを食べるというのもありがたさよ。
夏の間住み込みでバイトをしているのだろうという若々しくエネルギッシュなスタッフの皆さんがおかわりどんとこいと構えてくれていたので、おかわりしに行きやすかったのも良いですね…。
白山室堂ビジターセンターは収容750人の大型山小屋。そのポテンシャルを存分に感じました。
夕ご飯も食べて、日が沈み始めるともう寝るより他にすることはない。自分のエリアに戻って横になります。
ここで一つのミスなんですが、自分の就寝スペースでは電波が入らなくて就寝時のASMRが接続できないということがありました。ダウンロード済みのものでその晩は入眠したのですが、これは次回以降対策必要ですね。事前ダウンロードしておくとか。
ただ、疲れからか横になってほどなく就寝。もしかしたらASMR使わなくても寝られたのかもしれません。
夜中23時頃に一度目が覚めたので、トイレに行くことに。
宿泊棟の外廊下にあるトイレから戻る途中、上を見てみると素晴らしい星空が。
街の光に見えるのは方角からすると飛騨高山方面でしょうか。
真上にカメラを向けても、満天の星空。
かつて愛媛瓶ヶ森でテント泊をしたときに初めて見た星空の感激を思い出します。いい景色を見るために山に登る、これがやはり私にとって醍醐味です。
7/3 白山室堂~御前峰
翌日3時過ぎくらいには目が覚めました。
この日朝イチで御前峰に登ろうと思っていたので、身支度を整えて準備をします。
拠点があるとある程度不要な荷物は置いていけるのもありがたいですね。昨日ここまで登ってきたときよりは大分身軽な感じ。
ただ、予報通り7月3日は天気が悪く、外はポツポツと振り始めていました。
準備運動をしている途中に少し雨脚が強くなる場面も。周りのグループの中には「こりゃやめとくか」と宿泊棟に戻っていく集団もありました。
ビジターセンターの本館前で雨具を取り出しながら、はてどうしよう…と。ここまで来たのだ登りたいは登りたい。ただ、常に危険を回避する心構えは持っていないといけないのもあります。
徐々に明るくなっていく空を見ながら、「やっぱり登りてえ」とレインウェアを着込んで登ることにしました。午前4時。鳥居前大袈裟なザック背負って最後の登りスタートです。
いざとなればビジターセンターにさえ戻ってくれば良い。それに今日はどのみち下山中は雨予報だ、覚悟の上のはずだ。
奥宮脇を通って、よく整備された石段の登山道。
御前峰の標高は2702m。ビジターセンターから250mほどの標高差。
振り返っているとビジターセンターの赤い屋根がどんどん小さくなっていくのを感じます。幸い雨は徐々に弱くなり、風も強くはありません。
登り始めてから40分ほど。ビジターセンターがどれだけ小さくなったろうかと振り返ったときのことでした。
朝日に照らされ始めた山肌と峰々がよく見えます。そしてはるか福井方向に虹の足が見えたかと視線をずらせば。
雨上がりの空に虹の両足が見えたのです。これはなかなかの感激。虹色橋を架けるから…ってことはもうすぐ晴れるよってことなのか。
ええもん見た…と石段から地肌の道に変わり、更にズンズン進むことほどなく。
午前5時12分。白山の主峰のひとつ御前峰登頂…!
日本七霊山の旅、6座目…!一番タフになると予想していた白山についぞ登頂成功だ!
そして、デレスポARを起動して、泰葉とパシャリ。
泰葉の木材とアクリルスタンドともパシャリ。
ついでに自分もセルフィーでパシャリ。
ブルーのレインウェアは購入から2年、防寒着としてばかり使っていましたが、この日とうとう抜群の防水透湿性を発揮。
山頂周辺をすこし散策して下山開始です。
御前峰から大汝峰へと別の峰へ、山頂の池を見ながら行くコースもあるのですが、時間が経つにつれ天気の悪くなる予報は変わっていません。これ以上はいけないとビジターセンターに戻ります。
御前峰~白山室堂~別当出合登山口
ビジターセンターに戻ったらばザックを置いて朝食へ。ありがたいことに2食提供なのです。しかも朝ごはんもご飯とお味噌汁はおかわり無料!
クロワッサンもついていてなにがなんでもエネルギーを取らせるという強い意志を感じます。
美味しく頂いて荷物をまとめ、自分の使っていたエリアを片付けて、受付の方に挨拶をして出発。
下りのルートについても少し相談させてもらいました。別ルートで劇的に短くなるのなら、天気のこともあるしそちらを使おうかとも思ったのですが、そういうこともなく。また登りで使ったルートにも昨日との変わりは特に無いとのことで来た道戻るという選択へ。
以下、写真とともに振り返るタイムラップです。
7時2分。室堂ビジターセンター出発。
7時22分。黒ボコ岩手前。
この景色も見納めか…。
7時54分。件の雪渓。
ここでお父さんが二人のお子さんを1人ずつ手を引いて渡っているシーンに出くわします。
向こう岸の人とこちら側の人とが共にストップしてお父さんが2往復する時間を作っていました。昨日の事もあるので周りの人と上方に目を向けて注意していましたがこのときは何事もなく。
自分も無事渡りきりました。
10時37分。下り専用分岐。
って、一気にとんだな。下りはともかくも時間が経てば雨が降る!の感があったので休憩も程々にとにかく下っていました。
下り専用分岐では路肩崩壊している箇所もあったり。
最後の最後まで気の抜けない山だ、白山。
そして11時08分。別当出合登山口の入り口架け橋。
とうとう無事下山!いやー、ここまで長かったですね…。七霊山の旅でも最もタフな山行でした。
別当出合~金沢~東京~所沢
この後迎えのバスは16時に別当出合にやってきたのでそれまでボケーっと待っていました。待ってる最中、雨脚が強くなってきて、早く下山して正解だったなと。
バスで金沢まで戻った後は北陸新幹線で金沢~東京と長駆一走。初めて北陸新幹線に乗ったのにその余韻を楽しむ間もなく車内では爆睡していました。
その後東京駅で、金曜日に着替え等荷物を預けていた友人から荷物を受け取り、所沢へ帰還。翌日からは仕事に戻るってんだから驚きよ。一日インターバル欲しい…。
というか荷物置かせてもらわ、その荷物を東京駅まで届けてもらうわで、この一連の白山登山に関しては都内在住友人代理店くんの助力があってこそでございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
さて、最後に白山は花の百名山ということで、道中撮った高山植物の花の写真をアップしてお別れとしたいと思います。
七霊山の旅で最もタフだったこの山行の途中、幾度となく道脇の花にパワーをもらいました。夏なお雪のこる北陸の山々で、たくましく生きる花々ですよ。
そして、この七霊山の旅の根拠となる人のことを考えると、花がそこに咲いていることそのものに意味がある。
『いつか、未来で私が咲かせる花々を見に来てください……!』
2022年7月、その未来があの日の白山だったのかもしれない。
彼女の旅に比べたら短い、しかし私にとっては長い長い時間をかけてしまった七霊山の旅もとうとう最後一つを残すのみとなりました。
それでは次がいよいよラスト。日本の誇る雪の殿堂からお送りしたいと思います。
決行日は2022年7月16日。最後の一座は北陸の秀峰、立山でございます。
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