2019年2月9日。
今日は平穏な一日になるはずだった。朝起きてからジムに行って、平和なうちに帰ってきて昼ごはんたべて、部屋の掃除でもしようかと思っていたら、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
目が覚めたら17時前で、「あー、しまったなあ」とスマホを取ると。通知が…
スターライトステージが通知を発していた。「白菊ほたる」
「白菊ほたるをメインとしたストーリーコミュ55話を追加!」
おいおい、おれは何ヶ月寝てた?CMの発売はまだ先だぞ…?いや、そんな冷静な述懐を1時間ほど前の自分は述べていない。
メインストーリーがやってくるということは、シンデレラマスターが聞けるということだ。たとえ1番までだとしても、ほたるちゃんの曲が聞けるということだ。
…ナゴドで俺が泣き崩れたのって2ヶ月くらい前だったよな。新年にボイス実装、そこから1ヶ月でソロ曲が公開される。目まぐるしい毎日だ。TLではこの一気呵成の攻勢について「ほたるP生きてる?」「ほたるP原型保ってる?」などと、ほたるちゃんのプロデューサーの安否を気遣う声が散見された。俺も同意見。ほたるP気をしっかり持て!ほらMVあるぞ、ストーリーコミュあるぞ。
人の心配ばかりもしていられない。俺も白菊ほたるの一ファンとして…、コミュ見て楽曲が聞きたい!
昨年末に白菊ほたるについて、ということで挙げた記事の終盤でこんなことを言っていたのを思い出す。(続・白菊ほたるについて - 人生、東奔西走)
白菊ほたるは、どんな歌を歌ってくれるのだろう。勇気と希望に溢れた歌になることだろう。
ハードルをあげているわけじゃない。ただただ楽しみでならないのだ。
本当に、ここまでの道のりの何処かで、白菊ほたるが諦めないでいてくれてよかった。今日この日まで頑張ってきてくれてよかった。彼女の努力が報われる日がきてくれてよかった。
どんな歌を歌ったんだろう…。気になって仕方ないけど、まずはストーリーコミュだ。
(以下ストーリーコミュ55話ネタバレ含みます。ご注意ください)
冒頭、白菊ほたるの過去の夢が登場する。
番組のディレクター、過去の先輩アイドル、倒産した事務所社長…。その頃の悪夢で目が覚めるほたるちゃん。
ああ、ここはちゃんとやるんだ。ほたるちゃんに対して心無い言葉を投げかけた人たちと、彼女の不幸体質についての述懐。
歩いていてガムを踏んで「やっぱり私は、ついてないままだね…」と自嘲気味につぶやくほたるちゃんが印象的だった。そう、彼女の不運体質は別になくなったわけではない。その上でどうやっていくのか…。
CDデビューという報せを受けても、今ひとつ現実感を得られないほたるちゃん。
そこに、落ちてくる植木鉢!
お前、世界!ほんと怒るぞ!そんなほいほいほたるちゃんの頭上に植木鉢を落とすな!
…ここで本当に戦慄したんですけど、白菊ほたるの頭上に植木鉢が!って、いわゆるギャグベース世界観ではよく見た光景ですけど、この冒頭から今に至るまでシリアスな空気感のなかでも平気で植木鉢は落ちてくる。ほんと危ない…。白菊ほたるのの不運体質って、このレベルの危機なんだと知ると身震いがした。
その後、智絵里ちゃんと出会い、立ち寄った喫茶店で過去の先輩アイドルに出くわし、心ない言葉を投げつけられる。
…女子寮まで戻って、愛海ちゃん、美優さん、関ちゃんにもお祝いを告げられるのだけど、先程のことと、過去これまでのこと、CDデビューに際しての不安が胸をうち、飛び出してしまう。
雨に打たれながら、(これまでたくさんの人を不幸にしてきた私がCDデビューだなんて…)との思いを抱いてしまう。
難しいところだな…。ついさっき植木鉢が落ちてくるシーンを見てしまったから、白菊ほたるの不運体質は本物なんだと実感してしまっている。そのなかで、ほたるちゃんは諦めずにここまでやってきたけれど、先程カフェで出会った先輩アイドルのように、巻き込まれた人も確かに存在しているかもしれない。
そう考えると、ここでそう思ってしまうほたるちゃんに「そんなの気の持ちようだよ!」とかそういう言葉を気軽にかけることはためらわれてしまう。
白菊ほたるの不運体質に巻き込まれてしまう可能性…、自分はあまりこれまで考えてこなかったことだ。今の事務所に変わってからは、ほたるちゃんの不運体質だって、割と「そういうもの」として受け入れられているのだろうし、周囲の仲間たちも優しい。事務所は未だに倒産していないし、巻き込まれて致命的な不運が訪れるということはなかった…気がする。
彼女は続ける。
(私は、誰かを幸せにしたくて、アイドルになったはずなのに。)
もういっそ、ずっとひとりで…
ここで、プロデューサーが傘を差し出した。関ちゃんも追いかけてきてくれた。関ちゃん…ありがとう…。そうだったな、ふたりとも、笑顔になりたいアイドルだった。
これまで聞いたことのないBGMが流れ始める…。これがもしかして、白菊ほたるの…。
そして、雨に打たれる少女の頬に涙が伝う。
俺はずっと白菊ほたるは強いと思っていた、今も思っているけど。強いから何でも大丈夫なわけじゃない。ほたるちゃん、13歳の女の子なんだよ。ほんとうに、これまでよく頑張ってきた。これからも頑張る彼女になんて言えばいいのか…。
暖かい場所に帰ろうという選択肢で女子寮に戻ると、みんなが待っててくれる。
師匠もありがとうな…。思えば、デビューしたときの紹介劇場で一緒に登場して以来の長い付き合いだったんだもんなあ。
愛海師匠と智絵里ちゃんは、先程の元先輩アイドルのカフェに行って「白菊ほたるは、ずっと頑張ってるんです」と言ってきてくれた。というか、智絵里ちゃん…ありがとうな。お前さんもまた勇気を振り絞って…。
元先輩アイドルは言う、夢を諦めなかった白菊ほたるに嫉妬していたのだと。
人は誰しも強くない。自分にできないことをする人間に目の当たりにしたとき、こういう感情を抱くこともあるだろう。ほたるちゃんに向けられる感情のうちいくつかはこういう種類のものだったのかもしれない。
不運体質の発信源でありながら、負けずに立ち上がり続けるほたるちゃん。それに対して、自分は…そう思ったときに、人は妬む。人のせいにもするだろう。そのときに、敵意を向けられる不運体質と言うなの言いがかりを白菊ほたるは持ってしまっていた。
でも、今の仲間は白菊ほたるを知っている。美優さんも愛海ちゃんも智絵里ちゃんも関ちゃんも、プロデューサーも、ほかにもたくさんの仲間がいるだろう。うちの泰葉も、千鶴も、海さんも、よしのんも、ふじともも…。
優しい言葉をいただくだけで、白菊ほたるは再び燃え上がる。
(私まだ、全然諦められそうにない)
ああ、やっぱりほたるちゃんって強えわ!
ほたるちゃんに不運をむける世界も、妬み嫉みを持ってしまう人間という存在も、すべてそんなもんかもしれない。それでも白菊ほたるは立ち上がる。
そして、次の言葉で、俺はもうだめだこれ…と言って胸に熱いものがこみ上げてきてしまった。
「大切に、一生懸命、せいいっぱい歌います。私、あの曲までは不幸にしませんから」
彼女が守り続けてきた自分の場所に、とうとう咲いた一輪の花。その曲には多くの幸せな物語を。ほたるちゃんのつよい決意表明だった。
白菊ほたるにまたひとつ、こころ強い相棒が寄り添ってくれた。それが『谷の底で咲く花は』
ストーリーコミュはソロ曲披露の最後のMCでマイクが壊れるシーンで幕を閉じる。それについてほたるちゃんは言うのだ。
曲の間に壊れなくてよかった、この会場の広さなら届く、レッスンしてきたから声は届く。「ああ、良かった…。今日の私…、すごく、運がいいみたい…」
そうだ、世界よ!舐めるんじゃねえ。白菊ほたるはこうも強いんだぞ。一人きりで戦ってきた白菊ほたるに、仲間が大勢ついてるんだ。もう無敵だぞ。
いや、もしかしたら曲の途中に壊れなかったのは、最後に直接ファンに言葉を届けられる機会を得られたのは…、今日まで頑張ってきた白菊ほたるへの世界からのささやかなご褒美だったのかもしれない。
ストーリーコミュを見終えて、心の中に去来する感動。
そして、彼女のソロ曲が追加されていることを確認する。『谷の底で咲く花は』
おお…曲名が重え!白菊ほたるが歌っていると知らなかったら、和服を着た妙齢の演歌歌手が、「あなたを恨んでいいですか」とか歌いだしそうなイメージ感さえある。
ただまあ、白菊ほたるの方向性を先程のコミュで確認したばかりだから、しっくりくるところがあるな。そういう面から目をそらさない
なにはともあれ再生だ。デレステでレッツリズム!
いやあ…。一言言わせてください。いい曲だった。
谷底で静かに終わりを迎えようかという一輪の花が、日向で咲く夢をみる。そういう歌詞だ。
すずらんが一輪咲いているバックモニターの映像。ステージにはスポットライトに照らされる白菊ほたる。白菊ほたる、オンステージ。
サビ入りの部分「嵐の夜にいっそ千切れてしまいたくて」
そんな思いをしても、彼女には諦めきれない夢があった。夢があるんだよなあ。
この曲を作詞された八城雄太さんがツイートしていた。「物語的な歌詞なので、早くフルで聞いてほしいな」と。谷底から日向に這い上がってきた白菊ほたるの物語が一番部分。これ、ほんと早くフルで聴きたいなあ。頼むせめて発売日だけでも教えてくれ…。
そうそう、この曲、一度ほたるちゃんセンターにしてプレイ、MV見てみることをオススメします。最後のその瞬間まで見逃すことなく。
2019年2月9日。平穏な一日で終わるはずだった一日が、色をつけて輝き始める。
ほたるちゃんは幸せをとどけるアイドルになりたいと言っていた。
少なくとも、君のおかげで幸せをもらったファンがここに1人間違いなくいるぞ。そして、きっと日本中に、世界中にこの報せを受けて幸せになったファンが、プロデューサーがいるのだ。
いつも白菊ほたるの記事を書く時はこの言葉で終わっている気がする。
ほたるちゃん!いい曲だった!今日ここまで頑張ってきてくれて、その光景をみせてくれてありがとう!
ほたるちゃん!よく頑張った!そして、これからも応援することしかできないけれども、でっかい声で言ってやる、聞こえるかい、頑張れ!