人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

師の言葉を胸に、怒りとともにASMRを聴く

今日は月に一度の早出の日だったので、6時過ぎには家をでて最寄り駅に向かっていました。球場には近いけれど、職場は遠い。こういうときにはデメリットだなと感じることもあります。

駅への道中、空はまだ暗く冬の日照時間だなあと感じていました。ただ、明け方の東の空のグラデーションは好きでついつい写真など撮ってしまいましたね。

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こういう景色を見るたびに、脳裏に流れ出すフレーズがあります。海援隊の楽曲で『スタートライン』

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「夜明け前の薄暗い道を誰かが一人歩いている」で始まるこの楽曲。海援隊の楽曲で打線を組めと言われたらクリーンナップに入るくらいには私は好きな一曲。

 

そんなことを考えながら電車に乗り込むと、普段よりだいぶ早い時間だったので幸いにも座ることができました。

座ることができたので、乗り換えのある終点までは少し寝ようと耳にイヤフォンを突っ込んで昨日新たに買ったばかりのASMR作品を聴き始めたのです。

 

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サークルRaRoの私立小戸入高校ASMR部活動記録シリーズ。このシリーズ2作目の以下の作品に昨年夏にドはまりしたのをきっかけに追いかけているシリーズです。

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作品のダイマはほどほどに…。ともかくもASMR部活動記録シリーズの最新作を聴きながら電車に乗って仮眠をとろうとしていたのですが。…いやあ、やっぱこのシリーズ好きですね。

これまでの作品で存在を匂わせられていたASMR部部長がとうとう登場しましたよって。一体何のASMRをやるのかと思ったら、モノを用いずにオールささやき声というスロトングスタイル。参ったね部長。

最初こそ「音をおろそかにしてはASMR音声作品はできないよ」と思っていたのですが、徹底した無声音の密度。というかこの作中有声音を用いていないのでは…?というくらいな気がします。

そしてそのささやき声の声質とでもいいましょうか。程よい…。

音や声について自分の好みを言語化して伝えるのは非常に難しいんですが…、頑張って言葉にしようとすると、梅雨入り前季節に試運転をする扇風機のゆらぎ機能みたいな…。そういうほどほどの涼やかさと呼吸感が…。

これまで音声作品について自分の好きな音や声の種類について、ラムネの瓶に入ってるビー玉の音とレターボトルのコルクの音を足して2で割ったようなと思っていたのですが、そことはまた違うタイプでいい感じでした。

 

そして謎に包まれていたASMR部部長のキャラクターも良かった。

引っ込み思案ゆえ囁き声でしか話せないのに、マシンガントーク。年上らしさを出そうとしているのか特徴的な語尾とか、俺は何も言っていないのに自己ツッコミで完結したりするところとか…。音に逃げない選択肢をした声の作品だからとにかく常時喋りまくる。これが良かった。

 

「へえ…これはいいな」結局寝そびれちゃったなと思いながら、乗り換え駅に到着して職場までも聴き続ける。

どっこい途中から雰囲気が変わってきた。トラックが変わり部長が部室に飛び込んでくるなり呻いている。どうやらASMR部廃部の危機らしい。

何!?なんだと!?部長悲しませやがって許さねえ!出てこい!

 

話をまとめるとこうだ。

ASMR部の活動について、匿名のクレーマーから「学生らしくない」と苦情が入っているらしい。

ASMR部は活動として音声作品を作成・販売もしているがその活動が「学生が金儲けなんてけしからん」と苦情が入ったそうだ。(作成・販売と収益の部員山分けは生徒会の許諾を事前に得ていた)

そのクレームに他の保護者も同調して、学校としてASMR部を無くす方向に進んだということらしい。

 

そんな!!おかしいじゃないですか!我々は同好会扱いで学校からの予算も降りないから自分たちの部活動に使うために収益を得ていいって話だったじゃないですか!機材も、ダミヘも、そこに備え付けの理髪店椅子もシャンプー台も自分たちで調達した収益で部室に用意したんですよ!こんなの横暴だ!

 

しかもその匿名のクレーマーってどうやら上のシリーズ2作目のキャラクターの親御さんっぽいらしい…。

確かに2作目作中で「自分の行き方を認めさせないといけない人がいる」という話もあった。いいとこの生まれだが自分の生き方は自分で選ぶと美容師を目指し、そういう進路を自分で切り開くためのマネーを稼ぐというのも彼女がASMR部に入部したきっかけであったはずだ。…ここまでこじれていたとは。

 

そんなふうに憤っていたら職場最寄り駅についた。くっそー…気になる…。

 

仕事は一生懸命やって昼休み。イヤフォンを耳に突っ込んで、散歩コースに出る。

続きを聞いていたら、最終的には廃部なんて認められっか!やったるで!という方向でおしまいになった。続編に期待したい。

 

ASMR聞きながら怒るって珍しいシチュエーションに出くわしながら、朝スタートラインを聞いていたからだろうか、心の中のリトル武田鉄矢、いやリトル坂本金八が叫びだした。「そもそも学生らしいとはなんなんですか!学校はみかんを作っているんじゃない、人間を作ってるんだ!学校が生徒を信じられなかったら私は何を教えたらいいんですか!教えてください!」と長髪ロン毛を振り乱しながらブチギレている。

 

…そこで思い至ったのですが、これ金八メソッドに組み込んだら解決しないだろうか。

子供の生き方を決めつけたがる親、共感を得られなくて苦しむ青少年。こういうテーマで描いてきたのがあの学園ドラマの金字塔じゃないのか。

…やってみようじゃないか、小戸入高校ASMR部廃部の危機を3年B組にぶつけることでなかったことにしようじゃないか。

 

 

 

 

 

………

 

 

荒川の土手を生徒たちが登校している。その横を大森巡査(演:鈴木正幸)が自転車に乗って通り過ぎていく。イヤホンをつけて一人登校している生徒に注意をして、なんの曲を聞いてたんだ、ラジオか?と問いかけるがASMR聞いてると返答され、何だそりゃという表情、後ろから坂本金八(演:武田鉄矢)登場

 

シーン変わって朝の職員室。「最近、流行ってきたらしいですよね」と小田切先生が流暢な英語でASMRの正式名称を述べる。(画面下にいつものテロップ)

「うちにもあるじゃないですか。同好会ですけど」と遠藤先生が返す。「同好会でも顧問なんだから、ちゃんと指導はしてくださいよ」と後ろから国井教頭。向かいの机で苦笑いの花子先生。

花子先生「でも、最初は1人だったけど今は5人に増えて。自分たちで活動計画も作って持ってきてくれてますし、遠藤先生からみても手がかからない子たちなんじゃないですか」

乾先生「本当に手のかからない生徒なんていませんよ。そのための部活動であり顧問です」

そのとき、職員室の電話がなり、ASMR部の活動についての件のクレームが入る。

 

ASMR部部長は3Bの生徒だったため、坂本先生と遠藤先生で部長と面談。

活動内容についての話を聞き、まっとうな手順を踏んでいることから問題ないんじゃないかと国井教頭に報告。

その報告を聞きながら、小田切先生「しかしなんでもかんでもクレームクレーム…、学校の電話は相談窓口じゃないってんだ」

北先生「そうは言ってもね小田切先生、耳を傾けないと二言目には学校は閉じられているー!って。そういう時代ですよ。」

乾先生「しかし我々も傾ける耳は持っていますが、その前に名前くらいは名乗ってもらいたいものですがね…」

クレームは匿名でのものだった。職員室外線電話のズームアップ。

 

CM明け。坂本家夕食。

幸作「へえ、父ちゃんのところも大変だね。」

金八「なんだよお前、他人事みたいに。」

幸作「そういうわけじゃないけどさ。でも、その部の子たちは大丈夫だったの?活動に文句つけられるなんてさ。大人でもガーンとくるときあるじゃん。」

金八「ん…、そうだなあ。本人たちにはクレームのことは言ってないが。自分が信念をもって取り組んでることにケチをつけられるってのは…。」

箸を止め、少し考える坂本先生。

 

シーン変わって翌朝。

職員室に何人かの保護者がやってきている。あとからきたシルビア先生が入口近くの本田先生に「何事デスカ?」と質問し、事情を説明。

件の匿名クレームは、同時に地域の保護者にも伝わっていた。

母A「本当ですか!?学校が部活動として生徒にお金を稼がせているって!」というようなことをまくしたてている。鹿島田校長が「いえ、決してそんなことは…」と対応しているが納得していない。母B「そもそもASMR部ってなんなんですか!訳の分からない部活を作らないでちょうだい!」などの声も

 

所変わって3B教室。

保護者経由で生徒たちにもASMR部へのクレーム事件は伝わっており、お調子者たち、今日風にいうと陽キャ軍団が騒いでいる。

「俺たちも知らなかったもんなー、まさか部活でお金稼いでいるやつらがいるなんてなー」「ちょっとやめなよ!そういう言い方」「でも本当のことじゃんかよー」とやいのやいの。

ASMR部部長は机に座り下を向いている。(近くで気にすることないよと慰めている友人数人)

入り口の戸が開き、金八先生入室。「ほら席つけー。学級委ー員、ほら号令ー」

挨拶後出欠を取り始めるがその途中で、大体教室中央の列前方よりに配置されがちなお調子者が、先程の話題を切り出す。

ふたたびやいのやいの盛り上がる教室を静かにさせ

教室の隅で俯くASMR部部長生徒を見て、考える仕草を見せる。

 

職員室に戻ると、遠藤先生と鹿島田校長が話し込んでいる。

鹿島田校長「遠藤先生、困りますよ。きちんと指導してくれないと」

遠藤先生「いえ、だから先だって申し上げた通り」

鹿島田校長「問題は保護者には金儲けしている部活があると伝わって、実際に部活動で金銭収入を得ていることなんですよ。遠藤先生はスポチャン部の顧問もあるし、指導の外でやっていたと、管理不行き届きと思われてることもあります。このままでは…活動取りやめ、廃部という方向も…」

急いで割って入る坂本先生「ちょっ、ちょっとまってくださいよ校長。」

ASMR部が正規の手順を踏んで活動していたこと、生徒会(と顧問)の事前承認も得ていたことを説明し、「それで匿名のクレームに屈して後出しジャンケンで君たちの活動は学生には不適当だから廃部!ってそんなことを言われたら生田はどうなりますか!」

「いやでもね、坂本先生。そもそもASMRってなんなんですか」

「だからそれを彼ら彼女らが、こういうものだよと活動してきたんじゃないですか。それに耳を傾けないでどうしますか」

そうは言うても…と一旦処分保留のまま話は流れる。

 

シーン変わって放課後の3B教室。再び坂本先生とASMR部部長生田との面談。

ここで生田部長の過去が明かされる。極度の引っ込み思案でささやき声でしか会話できない自分。それがある日ASMRに出会って、自分もこのジャンルでなら…と世界が色づき始めたということ。

誰彼構わず耳かきをしかける耳かき狂人(シリーズ1作)、部室にかつらを持ち込んで散髪ASMRを取り続ける理髪師志望の後輩(シリーズ2作)、機材を扱わせたら右に出るもののいないギャル(シリーズ3作)、そして両耳のイヤホンマイクを外さず常にASMR世界で生きている新入部員(このシリーズの聞き手、つまりあなた)というASMR仲間にも恵まれ充実した日々を過ごしていたが…。

「こんなことで終わりたくない…」と吐露する生田部長。「先生、私やってみたいことがあるんです」と生田部長が据わった目でささやく。

 

CM明けて、3B教室。

HRの時間あたりを使って一連の騒動の話になる。

坂本先生「まず君たちがどういう話を聞いているのかわかりませんが、生田がASMR部で法外な部費を得ているということはありません」

坂本先生「活動の成果物を販売して収入を得ていたということはありますが、それらは部活の備品を購入したりということに使われていました」

「えー、でも」「なんだよー」「ほらー」等々思い思いの反応をする生徒。

クラス内で軽口たたきがちな生徒「ASMR部ってそもそもなにやってるんだよー」

何人かの生徒も同調。「わざわざ変な部活作らなくても…」との声。

坂本先生「そう。同じクラスの人間の部活なのに、私たちはASMR部のことをあまりにも知らなすぎたんじゃないかな。だから今日は、生田から3Bのみんなに話したいことがあるそうです。」

ざわつく教室。何人かの生徒が「でも、生田が人前で話すところ見たことないよ…」と察しがいい。

そこで教室に入ってくる他のASMR部員。各々がワイヤレスイヤホンが大量に入った箱を持っている。ざわつく教室。

坂本先生「ではね、今日は生田にASMR部が普段どういう活動をしているのか、実際に説明してもらおうと思います。」ASMR部部員が説明し、クラスメートがみんなイヤホンをつけていく。教壇にはマイク。(画を締めるために頭部形状のダミーヘッドではなくて、無機質なダミーヘッドマイクを使用)

そこでマイク越しに無声音でASMR部の活動を説明。一般的なASMR音の実演などを行う(石鹸を削る音やコーヒー豆を挽く音など)

教室の空気が変わっていき、BGMも明るめなものを流しましょう。

 

生田部長「以上、ASMR部はこういう活動をしています」(ささやき)

程なく、「おおー」というリアクションとともに拍手が起きる。

幾人かの生徒に感想を聞く。授業前とは違い和やかな雰囲気。

最終回付近でも問題を起こす芯の強い生徒「自分が好きなものを胸張って話せるって、大事だと思う。声の大きさは関係なくって、生田の言いたいこと伝わったよ」

 

ここから坂本先生の授業ゾーン。

クラスの野球部に「昔は野球なんて青少年にさせるのは害悪だ、なんて言われていた時代もあったんんだよ」と明治大正期の野球害毒論を取り出して、「その時代時代で大人は学生らしさを君たちに求めるだろう。でも、学生らしさという、そのたった5文字でくくれるような、それだけの若者にはなってほしくない」というような感じ。

また、学校に生徒会や委員会、部活動がある種の自治のもと行われていることの歴史的意義について話すかもしれない。

「音と言う字は、口から出た神への祈りと、それに返答する神の言葉でできたという。どれだけ小さくても誰かに言葉を投げかけること、そして、それに返す言葉を持つこと。これを大切に、その一音を聞き漏らさない人になってほしい。」という漢字の成り立ちコーナーもあってもよい。

最後に、クラス内のお調子者が「今度ASMR部で完成した作品あったら教えてくれよな!」という言葉にマイクを生田部長が通して返答しようとして、いいよいいよ直接いいなよと笑いに包まれる3BのシーンでEDが流れ始める。

 

EDのバックで、部の活動報告集会でのASMR部の様子や、別途他教師陣によって行われた保護者説明会の様子などが描かれて、まあなんやかんや収束に向かったんやなというのがハイスピードで描かれる。

 

 

………

 

 

どうでしたでしょうか。

3年B組金八先生にASMR部廃部騒動ぶちこんで無理やり解決させる思考実験。

授業シーンは要素だけ入れ込んでみたので、みなさんも頭の中の坂本金八with3Bで授業展開してみてください。

なお、国井教頭と鹿島田校長が同年度に存在しているのはおかしい!というツッコミがあるかもしれませんが、管理職ではない北先生が見たかったのと、千田校長ではもっと果断な処置をとってしまって千田校長VS坂本先生の構図が強くなってしまうので、このようなドリーム管理職コンビとさせていただきました。

 

しかし…作中世界の話のASMR部廃部騒動にこうも肩入れしてしまったの、ASMR作品がその世界のある人物の主観に乗り込んで楽しむという性質ゆえなのかもしれません。

つまりこのシリーズを聞いているときの俺はASMR部新入部員であり、部長を悲しませるやつは許せん!!となりやすい…、という。

 

さて、ではASMR部シリーズの来るべき続編に備えて、このシリーズを聞きながら寝るとしますかね。

 

121.8