人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

日本七霊山の旅④ 奈良県・釈迦ヶ岳(2022-5-2)

2016年にスタートした日本七霊山の旅。

今回はその4座目。2022年5月2日に奈良県釈迦ヶ岳に登った山行の記録を残しておきたいと思います。

 

泰葉の木材を2015年の年末に手に入れてからというもの。2016年に大山、富士山、石鎚山と3つポンポンポーンと登って「こりゃ2017年中にはいけるかもな」という見込みを今は昔。(日本七霊山の旅 発端 - 人生、東奔西走

2017年夏の大旅行では、立山・白山共に天候不順もあり登山口まで行きながら撤退の判断。そして2020年のGWに奈良の釈迦ヶ岳大峰山に行くべく、当時の勤め先に県外遠征の許可を取り付けたものの(昨今の情勢の出始めのころだったためこの許可を取るのに苦労した)GWに雨がぶつかったため、こちらも遠征断念。

天候や諸々の情勢いろいろなめぐり合わせも重なり。6年にわたって歩みを止めることになった日本七霊山の旅でした。

 

ただ、その間も登れるところには登ったり、テント泊も始めたり、装備も新しくしたり…。経験値はすこしずつ積んで2022年5月のチャレンジにいたるというわけです。

 

この日は旅の途上にあり、和歌山県の道の駅柿の郷くどやまにて目覚めるところから始まります。(以下、GWの旅4日目の記事からコピーしてますので適宜すっ飛ばしてください。重複箇所すっ飛ばし用目次置いておきます。)

 

 

九度山の道の駅で目が冷めたのは5時半ごろ。実際のところはもう少し早く起きて移動開始したかったですが。

そして、この日の紀伊の空…。

f:id:keepbeats:20230204170535j:image

見よ!この快晴を!素晴らしい…。遠征時やたらと雨に打たれることに定評のある私ですが、流石に霊山の神々も「流石にね?」ということでしょうか。

 

九度山を出発し紀ノ川沿いを東進し、奈良県に入ります。

五條市に入って紀ノ川沿いを離れ、進路を南に取ります。ここからいよいよ紀伊山地に突入していくわけです。国道168号を進みます。

 

ではここで釈迦ヶ岳までの道を見ていきたいのですが…。

五條市で国道168号に乗ってからの道のり、これGoogleMapからでも伝わるでしょうか…。

 

延々山道を進むんですね…。

国道168号で検索するとサジェストに「酷道」が出てくるのでそういうタフな道と思われうかもしれないのですが、これは整備している奈良・和歌山両県の名誉のために行っておきますと、整備された新道の敷設がどんどん進んでいて、道中走りやすすぎるくらいのトンネル・橋梁区間も長いほどです。

 

168号区間で一番苦労したな…と記憶にあるのが、下の画像の場所で向かいから中型トラック数台連なってやってきてすれ違ったところでしょうか。

しかしまあ…ここは実は序の口で、168号を離れて釈迦ヶ岳登山口に取り付くまでの林道?山道?こそが本番だったわけです。

 

 

これは168号を離れて紅葉街道なる道にはいってからの経路となります。さあ…一段上の山道へ。

この道に入って程なく、向かいからコミュニティバスがやってきてすれ違いに苦労したのが「この道…やばいぞ」という印象を強くしましたね。(ただこのあとすれ違いの車は無かったのですが)

中途にある旭ダムから最終まで30分弱を要しているんで、この紅葉街道はトータル50分前後運転しているはずです。

ここが一番しんどかった…。いや誤解を恐れずに言うあらば緊張感って意味ならこの後の山登りよりもしんどかったです。

もし対向車が来たら離合の可能なところまでどちらかが下がらないといけないというプレッシャー。しかも途中からはガードレールのない箇所も多々ありました。加えて途上には小さくもない落石が結構落ちているので、それを踏んでしまわないように気をつけてないといけないということもある。

一部の区間ではこのように路肩が崩れちゃっているところさえありました。

f:id:keepbeats:20230204170558j:image

 

登山口まで山道を長時間運転するって結構ある話ではあるんですが、圧倒的に行きがしんどい。なぜって言うと終わりが見えないからなんですよね。カーブを曲がって曲がって、まだ着かない…を繰り返すので。曲がった先にどういう注意すべきポイントがあるかもわからない。そういう小さなスリップダメージが積み重なっていく。

もちろん帰りは帰りで、登山後ということで体力使っていますが、来た道を戻るということで楽さはあるんです。もちろんそういう抜けた感が事故にも繋がりうるってのは下山時に遭難しやすいって話と同じでもあるので気をつけないといけないですが。

 

そういうスリップダメージを受けまくりながらも、なんとか釈迦ヶ岳の太尾登山口に到着しました。時刻にして8時半。

登山口から

 

yamap.com

 

今回の登山ルートはこちらのルートを使いました。

尾登山口は出発地点が1309m。駐車場脇の階段を登って山道に入っていきます。

f:id:keepbeats:20230204184355j:image

入り口には「熊出没注意」の看板も。

f:id:keepbeats:20230204184419j:image

これまでの長い距離の運転でここがいかに人里から離れた場所かというのもわかっていますから、自分がこれまで登ってきた山々よりも熊への注意というのはだいぶ高いものを持って向かいました。携帯の電波も殆ど入らないエリアだったように覚えています。

 

登山道といっても序盤は勾配も緩やかで、体を慣らすのにもちょうどよいです。

f:id:keepbeats:20230204184442j:image

5月上旬、標高も1300mオーバー、時刻は8時半ということもあり、涼しいくらいの風がそんなに密集しているわけではない木々の間から抜けてくるのは心地よいです。

一本の明瞭な道があるわけではないので、踏み跡や登山道を示すマークなどを見ながら道迷いには気をつけて登っていきましょう。

f:id:keepbeats:20230204184507j:image

 

はしごで道をサポートする箇所もあり、案内看板なども含めて、しっかり整備されているというのは伝わってきます。

f:id:keepbeats:20230204184542j:image
f:id:keepbeats:20230204184546j:image

 

そして、スタートから30分ほど。踏み跡が明瞭な道となり始めました。

f:id:keepbeats:20230204184610j:image

視界が上方向にも抜けて広くなり、実に心地よいです。そして、このあたりからバイケイソウも多く見えます。


f:id:keepbeats:20230204184645j:image

f:id:keepbeats:20230204184649j:image



バイケイソウに限らず自分は植物には詳しくないので、写真で撮って後で調べるということが多いのですが、この植物はどこもかしこも有毒部位。そのためシカも食べないのだそう。また、一部府県では絶滅危惧のレッドリストに登録されてもいるのだとか。

この山行中、いたるところで見ましたので少なくともこの釈迦ヶ岳エリアではそういうこともないのでしょうが。(実際奈良県バイケイソウレッドリストに含まれていません)

 

…写真を撮っているときは、この植物が有毒植物と知らないので、ずいぶん近づいて撮ったりもしていますが。まあ、食べたりしなけりゃ大丈夫でしょう。

 

釈迦ヶ岳行って感じたことには、道中上方の視界や日光が遮られる区間が殆どなくて、稜線に出てしまえば、紀伊山地を見渡しながらの心地よい山行であったというのは特徴だなと思います。

 

ほとんどコースタイムと同じくらいのペースでスタートから45分で1465m表示の看板に到着。

f:id:keepbeats:20230204184713j:image

何故かここにベイブレードスコーピオンのアタックリングがかけられていたんですが、これは一体…。もしかしたら自分が木材を持って山を登っているように、かつてスコーピオンを持って霊山を巡っていた登山者がいたのかもしれない。彼は一体、このリングに何を願掛けしたのだろう…。

ここは世界遺産大峯奥駈道。人が願いを抱き駆ける道…。

 

そんな思いも胸にしながら、どっこい登山道を進むことに集中しながらも進んでいきます。緩やかな勾配の箇所が多く、非常に歩きやすいのもいいですね。

 

f:id:keepbeats:20230204184751j:image

そしてこの写真のちょっとしたピークに差し掛かり、

f:id:keepbeats:20230204184821j:image

振り返って見渡す紀伊山地…!人里らしきものが見えないこの景色に、日本最大の半島のその真っ只中の山地にいるのだという実感を得ます。

 

緩やかな上り下りを繰り返しながらもしっかりと標高を稼ぎつつ…。

古田の森という、なんか捕手力の高い名前のチェックポイントを過ぎてしばらく行ったところで一休みしていました。

f:id:keepbeats:20230204184930j:image

グループの一行が後ろからきていたので先を譲って、ちょうど向かいからも男性1人やってきて挨拶したところ、「すみません、水場ってありました?」とのこと。

自分も、今まさに後ろから来たグループも「いや…見なかったですね。もう少し先(山頂より)だと思ってましたが」。YAMAPの地図で確認してもどうやら確かにそうらしい。「あれ、見落としたかな…、ありがとうございます」とその男性は元来た道を戻っていく。

 

グループの一行と男性1人が前を行くのを見ながら、一休みを切り上げて自分もいよいよ山頂に向かっていきます。

 

f:id:keepbeats:20230204184907j:image

この写真に見える右のピークが釈迦ヶ岳山頂ですね。あと2回ほど、肩のようになっている登りがあるな…最後の踏ん張りどころだと、気合を入れ直して。

 

少し進んでいたところ、このあたりさっき話題にしていた水場があるんだなと思って見ると、道が分かれている箇所があってその奥の方に水が湧いている場所がありました。

f:id:keepbeats:20230204185009j:image

 

ああー、下から行くと道の分岐がわかりやすいけど上からみると、340°くらい旋回して入っていく分岐だから気が付きにくいかも、と考えてあたりを見回すと先程の男性登山者が、大日岳に至る道を下っていっているのが見えたので、「お兄さーん!水場!ありましたよ!」と呼びかけました。なんかこの旅の途中、始めて大きな声を出した気がする。大きな声を出すことそのものも久しぶりでさえあるかもしれなかったですね。

幸いまだ水場を探していた途中だったそうで、道を再び登ってきて水をくんでおりました。(別に水が無くなっていたわけではなくて、湧き水飲んでみたかったという話だそうです。)

登りからは見えない分岐、下りからは見つけやすい印とかそういうことって多々あるんだなというのを実感しました。

その人の名誉のために言っておくと、水場を探していただけで、太尾登山口に至るルート・大日岳に至るルートの本筋のルートからは全く外れていないので、ここで水場を見つけられていなかったとしても道迷いしていたとは思いません。あくまでサブクエストとしての水場探しだったみたいですし。

ここで自分が学んだことって、山行中に他の登山者に聞くことって大事だなということで、この経験は実は後々別の山で活きたんですね。

 

さて、水場でその人と別れた後自分は再び最後の登りに。

これまでは足首程もない笹の道でしたが、最後の上りは腰の高さくらいまで草の生えていて足元が見えにくい道となります。

f:id:keepbeats:20230204193230j:image

そんな中である一歩を踏み出したとき、少しバランスを崩して横によれたときに「ビッ!」と足元から音が。見ると低木の枝がトレッキングパンツの裾付近にぶっ刺さってました。幸い枝は厚手の靴下のところで止まっていたので怪我ではないです。

ただ、このトレッキングパンツ、2015年の石鎚登山からかれこれ7年、俺の山行を支えてくれたやつで…。ここまできたら何を失ってでも登り切るしかない。やるしかねえ!今、やるしかねえんだ!

 

程なく、明らかに木ではない構造物が見え始め、登山開始から2時間半の11時過ぎ。

 


f:id:keepbeats:20230204185047j:image

f:id:keepbeats:20230204185050j:image



釈迦ヶ岳登頂!!

 

釈迦ヶ岳山頂で迎えてくれるのはこちらの釈迦如来像なのですが、これはなんと独力にて担ぎ上げられたものだそう。大正13年に岡田雅行という強力が成した偉業だそうです。

人1人登ってくるだけで精一杯だったし、当時は登山口までの舗装道などもないでしょうから、自分が車で延々走ってきたあの距離も含めてと考えると、よりその凄さが感じられます。

山頂に刺さっている錫杖に寄り添って立っている看板に記載されている標高は1799.6m。

f:id:keepbeats:20230204185233j:image

紀伊山地の秀峰からの眺めがこちら。

f:id:keepbeats:20230204185121j:image

少しばかり雲が近いような、そんな心持もします。

 

泰葉の木材との写真もバッチリ撮って、日本七霊山の旅はとうとう折り返し。

f:id:keepbeats:20230204185206j:image
f:id:keepbeats:20230204185159j:image
f:id:keepbeats:20230204185203j:image

 

 

山頂でおにぎりを食べて昼食休み。本当に素晴らしい天気で、こればかりはめぐり合わせに感謝感謝です。

 

30分ほど休憩した後、下山開始。

下りも来た道をもどるルートなので、少し気持ちは楽ですが油断大敵でいきましょう。

 

時間にして2時間ほどで下山完了。

登りも下りも概ねコースタイム通りに歩くことができました。

f:id:keepbeats:20230204185300j:image

尾登山口に戻ってきて、日本七霊山の旅がいよいよ残り3つとなったことを実感して満ち足りた表情をしていた記憶があります。

登山口入り口脇で、車のトランクに腰掛けてカップ麺を作っていた登山者に「お疲れ様でした」と声をかけられたのを覚えています。いやー、傍から見てもわかるくらいにそれほど良い山行だったんでしょうね。

 

あれ、しかし熊はともかく鹿にも出会わなかったな…。

f:id:keepbeats:20230204185416j:image

野生動物対策ってわけではないんですが、一人ぼっちの区間では口笛とか吹いてたら意識していた部分もありました。熊鈴もバッチリ聴いていたのかもしれないですね。

 

というわけで下山完了をもって本当に釈迦ヶ岳登頂成功です!

来た道を戻って、五條市内の温泉でひとっ風呂浴びてひとまず釈迦ヶ岳パートはおしまいです。

 

日本七霊山の旅もいよいよあと3つばかりなり…。

 

9286/16722