Netflixにて漫画「ULTRAMAN」のアニメ化作品が配信されている。
今年の4月に一気に12話がスタートされてたわけだけど、なんのかんのと後回しにしていたら今日にまでなってしまった。
原作コミックについてはネカフェに泊まったときなどにじわじわ呼んでいたくらい。ほとんどまっさらの状態で見ていると思ってもらって構わないくらいですね。
(以下ネタバレ注意)
世界観としては「ウルトラマン」最終回のゼットン戦から数十年後の日本。
主人公は科学特捜隊のハヤタ隊員の息子、進次郎氏。こう書くと某議員さんみたいだけど無関係であります。
ウルトラマン最終回で人類がゼットンを倒したあと、ウルトラマンは命を2つもってきた(!)ゾフィーによってハヤタと分離し光の国に帰っていくわけだけど、この作品では残されたハヤタにはウルトラマン的超常パワーが残り、それが子である進次郎にも引き継がれていたわけ。そんな彼を主人公にストーリーは始まります。
実はこのアニメを見始めた瞬間に嫌な予感があって…なにかというと3DCG作品ということ。原作が特撮シリーズ、3DCG…。つい最近劇場アニメに「GODZILLA」三部作ってありましてね…。まぁ3部作としてストーリーを締めくくってる感はあるんだが、映像面で少し肩透かしを食らってしまって。
まぁ、ゴジラもキングギドラもメカゴジラもモスラもあんまりハチャメチャに動いてくれないから。本来怪獣とはこのような重厚感がある存在なのかも知れないけども…。
そういうこともあってULTRAMAN大丈夫か?というところはありました。
ただまあ、これウルトラマンと銘打ってるけども、巨大特撮シリーズではなくて等身大ヒーローものですから、GODZILLA三部作と勝手は違っていた。
ULTRAMANの戦闘シーン、かなり3DCG映えするものだったんすな。北斗のバーティカルギロチンなんてめちゃんこかっこよかったんだよな…。セブンの殺陣もかっこよかった。アイスラッガーという戦闘スタイルを、ああいうふうにジャパニーズソード振り回す戦闘スタイルに昇華させるとは。非常にセブンですねえ。きっとそのうちエメリウム光線も撃ってくれると信じている。
今作のウルトラマンは強化スーツで戦うという設定上、メカニックなビジュアルをしているんだけど、それもなかなか3DCGとの相性が良かったのだろうか。見た目にもかっこいいのだ。特にエース。あの切り裂き魔がこうもかっこよくなるとはなあ…。いや本家ウルトラマンエースもカッコいいんだがね。
ストーリーとしては結構王道の「ヒーローとしての力をどう使うべきか」「ヒーローとしていかに人を救うか」という主人公の葛藤を軸に。
これについては最終的にシーズン1の進次郎氏の行き着いた結論が結構潔い。「俺がやらなかったら誰がやるんじゃ。俺がやらねえから誰かが犠牲になるんじゃ。やるしかないから、やるしかないんじゃ(意訳)」という帰結が結構好みですね。
力を与えられたものの開き直りとも言うべき理屈で、最後エースキラーをかっ飛ばすところなんて、かなり溜飲が下がる展開でしたよ。
一昨年のウルトラマンシリーズ「ウルトラマンジード」でも、悪のウルトラマンの血を受け継いだリクくんは「自分の理想のヒーロー像としてあるべき姿のウルトラマン」を目指したのだけど、進次郎氏については「自らの宿命としてのウルトラマンを受け入れる」という帰結に見えます。シーズン1の範囲では。1話ではうぇーい系高校生かと思っていたのに、こんなに成長して…。いや、結構最後の方までちょっとそこらの高校生ムーブが入っているところはあるが。
進次郎氏に限らず、諸星さん、ジャック、北斗とこのあたりのキャラクターの掘り下げは尺の都合もあるのか少し足りないと感じる部分もあり。シーズン2以降に期待していたのでいいと思う。とくにジャックなんてとうとうウルトラマンにならないままシーズン1の終了を迎えてしまったし。
昭和の放送順ではマン、セブン、帰マン、エースだったから、帰マンが姿を見せる前にエースが登場したのが少し意外だったりもした。あー、しかし、このあたりは「帰ってきた」ウルトラマンであるウルトラマンジャックの登場について、しっかり「帰ってきた」感を出すためなのかもしれない。やはりシーズン2に期待ですな。
…これゾフィーやタロウ、レオモチーフのULTRAMANも出てきたりするんだろうか。錐揉み回転しながら返信するタロウなんて見れた日ににゃ、そらもう感動してしまうんだろうなあ。
そんなわけで「ULTRAMAN」を一日見ていたわけですけど、ウルトラマンが好きな人も見たことない人も結構楽しめる作品かなと思います。
ただ、三面怪人ダダとか、スペシウム光線とかそういうワードにワクワクする人は是非とも一見をおすすめしますね。
胸につけてるマークは流星。新時代のULTRAMANがここにいたのだ。
102.6