人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

『ウルトラマンジード』最終回を終えて

2017年も残りわずか。
一昨日、昨日としこたまビールと黒霧島と日本酒を飲んだせいで、気だるさが残ってしまってるが、今年中に書いておきたいことが一つ。

12/23に最終回を迎えた『ウルトラマンジード』
このまま行くと平成最後のウルトラマンシリーズになるのかもしれない。
そして、ギンガ以来久しぶりに全話リアルタイムで見てた作品でもありますね。
前作のオーブから、ウルトラマン列伝の番組枠の中の作品という扱いではなく、『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンジード』という個別枠の作品となっています。

(以下ネタバレ注意)

 

ウルトラマンジードを一言で言うなら、とあるヒーローの誕生物語とでも申しましょうか。
ウルトラマンベリアルというウルトラワールドの特異点の息子という設定を聞いたときには、どんな話になるのか、期待半分、不安半分だったんですけど。

いやあ、びっくりするほどヒーローものだった。ダークヒーローではなく、純粋ヒーロー。
ウルトラマンベリアルの息子だから、その自分の在り方に悩んだり、悪の遺伝子が疼く…とかそういうストーリーになるのかなあと思ってたんだけど、そんなことはなくて、きっちりちびっ子も好きそうなストーリーに仕上がってた。

 

それもこれも、主人公の朝倉リクが一貫して、快活な主人公をやってくれてたおかげ。
名付け親と自身の出自を知って「ぼくはリク、朝倉リク。それがぼくの名前だ!」と叫ぶシーンと、後にベリアルに飲み込まれそうになりながら、ヒーローになる決意を固めてジャンプアップしていったシーン以降は、自分が人造ウルトラマンであることに悩むこともなくなり、個人的には好感度の塊みたいな主人公でしたね。
作中、ベリアルに心酔している伏井出ケイは、リクについて「ベリアル様の血を継いでいることしか価値のない模造品」と称してましたが、ベリアルの血を継いで、自身の憧れるヒーロー象を失わなかったリクの姿は崇高だ。
主人公についてというと、ウルトラマンジードって、基本形態のプリミティブも初代ウルトラマンとベリアルのウルトラカプセルをフュージョンライズした姿だから、ウルトラマンオーブとは違って、オリジン的形態がまだ明らかになってないんだよね。現状、地球人の姿をしている朝倉リクが本来の形態といってしまってもいいまである。
地球人として生まれ育ったウルトラマン、朝倉リク。光の国に生まれついていないから、生まれながらのヒーローってわけではないんですよね。自分の本来の力も知り得ずに育ってきたし。

それなのに、ウルトラマンの力を知る前から「皆を助けるヒーローになりたい」っていう自己実現欲求を持ち続けてたというのは、宿命めいている。

 

そのリクのヒーローへのあこがれのきっかけになった作中劇『爆裂戦記ドンシャイン』
リクがベリアルに飲み込まれそうになったときの心象風景で、その出自から孤児だったリクが泣きじゃくっているところに、近くでヒーローショーをやってたドンシャインが駆け寄って、「君の笑顔を取り戻す。HERE WE GO!」って言うシーン。あれほんと好きでねえ…。
あの世界で、作中劇やっててスーツでヒーローショーやってるってことは、ドンシャインは、メタルヒーロー仮面ライダーのような等身大特撮ヒーローの力を実際に持ってるわけじゃないと思うんですよね。
それでも、あの瞬間に泣いている子どもを放っておかないドンシャインは紛れもなくヒーローだと思うんですよ。


身も蓋もない話をすると、そのヒーローショーでスーツアクターやってた人の心根がヒーローチックだったとかそういう話になるかもしれないけど、ヒーローのスーツを着ている時、その人もまたヒーローにならざるをえない。やっぱりあの世界でドンシャインは生きたヒーローなんすよ。

 

ウルトラマンジードOPの「Geedの証」の歌詞に「僕ら僕らしくいるために 誰の笑顔も曇らせない」って歌詞がありますけど、そのドンシャインの生き様を受け継いだウルトラマンジード。


当初ベリアルの姿に似ているせいで世間の目は冷ややかでしたけど、それにもめげずに、みんなのために覚悟を決めたウルトラマンジード。

 

本作の最終シーンは「ドンシャインもいいけど、今はやっぱりウルトラマンジードでしょ」って言ってちびっ子たちがウルトラマンジードごっこをしているのを眺めて「リク、君はヒーローになったんだよ」ってペガがリクに語りかけるシーンとなってます。
ヒーローの系譜を受け継いで、ネクストヒーローになったジード。
彼の姿勢は、ウルトラの父からも崇高な意志と評され、ウルトラマンキングからは「無限の可能性が秘められている」と光の国のお歴々からも認められて…。
出自・姿から疑念の目を向けられても、一心に自分の信じる道を突き進んでいけば、みんな認めてくれるんだよリク…。


いやあ、本当にいいヒーローです、ウルトラマンジード…。
来年には劇場版も決まってますので、ぜひ。