昨年のGWに6泊7日の行程で車中泊旅行をしていました。
埼玉を出発して新潟、富山、石川、鳥取、和歌山、奈良、京都をグルっとまわっていくという結構な大旅行をかましたので、その記録を残しておこうと、こうして書き残しています。
今回の旅程での縛りは主に2つ。
①宿泊は車中泊とすること。
②有料自動車道を使用しないこと。
これらの縛りが存在する理由、それは本来この旅行は予定されていたものではなかったのでシンプルに旅費がなかったからというものです。それでも行かねばならぬ理由はあった…。この1ヶ月前、俺はベルーナドームで夢を叶えてもらったのだから…。で、火がついたわけです。
というわけで、無茶だなぁ…と思う旅程を組み出発するに至りました。
車中泊旅行ということで車内の装いを整えて、下の写真は4/28の出発前夜。
カローラスィールダーの後部2列をフラットにして、エアマットとシュラフ、さらにブランケットで防寒対策をしております。
アウトドア用品の数々が結構車中泊にも役立ってますね。LEDランタンなんかも車内の明かりとして有用だった。
なんにせよ、早く寝なければならない。翌日の朝は早いのだ。
…明けて4月29日。
睡眠もほどほどに5時過ぎには出発。
出発して給油して程なく、枕を忘れたことに気がついて家に引き返す30分のロス。こういうガバを平気でやっていく旅路です。
まず第一の目的地は新潟糸魚川。一度フォッサマグナのその境界を通ってみたかったというそれだけのために向かいます。
ちなみに下道オンリーで向かう場合のルートと所要時間はこちら。
…旅の最初の目的地まで7時間みたいな旅程を組むな!と思われましょうが、こういう旅なのです。
7時間というと新幹線なら、新函館北斗〜名古屋、鹿児島中央からなら東京までやってくる時間ですね。たいしたやつだな…こっちは3つ県境越えるだけでせいいっぱいなんだ…。
だけどこの旅、下道運転を楽しむ旅でもあるのは間違いないのです。見たことない道、街の風景を通り過ぎる、それが楽しい。
道中道沿いにあった毛呂山のローソンに寄ってコーヒーとブラックガムと朝ごはんを調達して進む。
コンビニで購入するアイスコーヒーを常飲しながらの旅路になります。ローソンのアイスコーヒーメガサイズが味も容量も1番好き。
埼玉県を出るとまずは群馬県、といってもここは通過するだけだが。
国道17号、18号を走り高崎市を通過。ここら辺は朝早い時間帯ということもあり走りやすかった。…が、初日最大の難所碓氷峠越えがこのあとすぐにやってくる。
勾配あり急カーブの連発もきつかったが、そこをハイスピードでかっ飛ばす乗用車、トラックが恐ろしかった。まだまだ道半ば、巻き込んでくれるなよ…。
流石に少し気を張ったので碓氷峠を越えた軽井沢で休憩。ここでカーナビを見ると日本ロマンチック街道の文字が。ヘアピンカーブのドキドキを恋心と勘違いさせていくタイプのロマンチックか。
しかしこの文字を見たときにテンション上がったのが、これ僕らは新世界で旅をするシリーズ関東鍋編で雪道突貫したあの日本ロマンチック街道ですよね?へぇー、ここを…と思いながらもダラダラせずに次に向かう。この時点で時刻は9時半。なんのかんのとこの時点で4時間半運転してます。
小諸市から上田市に入るあたりでカーナビが街のど真ん中を突っ切る幹線道路ではなくて山道を走らせるようになった。といっても車が容易にすれ違うことのできるくらいで運転のストレスにはならなかったけど。
程なくいくと、まだ花の残る桜や棚田が見える。後から調べるところによると真田東部線という道で、真田資料館なんかもありました。
地図を見るとこのように進んでいて、なるほど千曲上田あたりをショートカットしているのか。
この後長野市内ですこし渋滞にまきこまれたものの、そのまま長野市街を西に突っ切って県道31号線を進みます。
この記事の冒頭に載せた糸魚川までの道のりもいよいよ最後の山越えです。群馬から長野の東側の山越えをして、中を突っ切り今度は西側。この時点で時刻はもう11時半あたりとなっていて、出発から7時間になろうとしていました。まだどこにもついていないんだけどな…。
県道31号を進み白馬に入った頃、交差点で衝突事故を起こしている車を見ました。GW初日、浮足立ってはいけない。自分も気をつけないと。
しかし初めて見る白馬岳、雰囲気あるなあ、と景色を見るもおもしろい。
遠距離下道運転の山越えで楽しいときっていうのは、車道の勾配が下りに差し掛かるエリアを肌で感じられることかもしれません。高速道路ではこうもいかない。
白馬を過ぎて、大糸線と並走する国道148号を進むとき、徐々に下りの勾配になっていきました。
この148号も楽しい道で一級河川の姫川を右に左に見ながら、時折大糸線のワンマンが走る。山道ではありますが、トンネルではなく洞門とでもいうのでしょうか谷側はくり抜かれて外光の入る…、こういういかにもなんとかこの道、切り開きました!という道を走っているとき、どうにもこう…長距離移動とは願いだっていう気持ちになってジーンときます。
だんだんと山道を下って、空も開けてくるといよいよ糸魚川市。どっこい糸魚川に入ってからポツポツと雨が降ってきておりました。
姫川の河川沿いを下ってこのまま日本海にば到着せん。私は地質上の今東日本と西日本の境目にいるのだ!とやろうとして、海に流れ入るその河口付近までやってこようとしたところ、いよいよ風も強くなり。
この旅第一の目的地。フォッサマグナのその西北端。
地質上の北東日本と西南日本の境界に今私は立っているのだ…。
そんな感慨もひとしおに、とにかく風雨が強い!景色を一通りみたあと車にもどって次の目的地へとカーナビをセットしました。
遡ること5年、2017年夏の旅行でもここを訪れていたのですが、到着して知る休館日。
さらに市内のお店でほたるいか食べようと訪ねるも「旬は春だから春来た方がいいですよ」と大将に教わったということもありました。
時に再び2022年5月、ギリギリ旬のこの季節。ミュージアムの休館日もしっかり調べていざリベンジというわけです。
糸魚川〜滑川間は国道8号を行くのですが、この旅路初の一桁国道の時間です。
いやー、8号、走りやすかった…。日本海を右手に臨み、岸壁切り抜きたる洞門。この地域にあるこの形はスノーシェッドと呼ぶ雪除けの意味もあるのでしょう。
この8号を走っている時間が楽しく、「一桁国道走破っていいかもしれない…」と心に決めたのですが、それはまた別の話。
雨は強くなりつつありましたが、道は運転しやすく程なく滑川はたるいかミュージアム到着。時間にして15時前ですね。出発から延々10時間運転してようやく到着…。
ほたるいかミュージアムにはレストランも併設されているので、到着してまずそこでホタルイカを食すことにします。
パノラマレストラン光彩。名前が良い。ホタルイカの放つ神秘の光、鮮やかでかつ儚げなその光にしっかりとくる熟語のみのシンプルな名前が良いじゃないか。
確かほたるいか御前という名前の、一通りのホタルイカが食べられるものを注文して待つ。
時間が時間だったため客足も落ち着いていて海側の見晴らしの良い席に案内してもらいました。くー…これで晴れていれば最高だったろうに。
程なくほたるいか御前到着しました。
ボイル、刺身、天ぷら、そして沖漬けとホタルイカフルコース。
これまで沖漬けくらいしか食べたことがなかった自分としては大満足。なんだろう…磯…!というか海…!が圧をかけられた旨味の塊となって詰まってるような。
最初はおかずの量に対してご飯多いかなとさえ思っていたのですが、そのように旨味密度がすごかったので、ご飯も進む進む。あー…これ酒が飲めれば…。どっこい運転手なのでそれは選択肢に挙げられず、しかして満足のほたるいか体験でした。
食事を済ませたあとはミュージアムの方に移って、富山湾の生物やホタルイカの発光ショーなどを見ていました。
生きているホタルイカの発光を見られる稀有なショーなんですが、なんでもシーズン中は職員の方が毎夜毎夜船に乗り込んで獲りにいっているそう。
そして繁殖のために水深の浅いところとか海岸近くにきているホタルイカというのは程なく寿命だそうで、ミュージアムに連れられてくるホタルイカも数日で天寿をまっとうするそうです。
蛍もだけど光る生き物は皆短命なのか…いや、それは我々が光っているのを認識してからの期間がそうなのであって、それまでの期間彼らには彼らの長い一生があるのだ。
舌に目に楽しませてもらったホタルイカ達に礼を言いつつ、車をさらに西に進ませます。
次の目的地は金沢市。国道8号を再び2時間ほど走り…。なんかもう2時間くらいだと遠くない雰囲気だけど、能登半島の根元をしっかりぶった斬っているんですよね。
道中この地の友人に勧めてもらったご当地ガソリンスタンドで給油。
この旅は高速代とホテル代こそケチっているけど、高速使わない分ガソリンだけは通常以上に食うからこういう情報はありがたい。
運転のしやすい8号をスイスイ進んでいくも金沢市内の目的地へ。
金沢にグルメ数あれど、この日はこちら金沢カレー。そのご当地チェーン、カレーのちなんぴにて夕飯とします。
最近でこそ所沢駅のゴーゴーカレーによく行くようになったけど、金沢カレーうめぇ!の気づきはここ。コク深きルーとキャベツで無限にご飯食べられますよね…。カツにソースがかかっているのも良しだ。
すっかり満腹になって、さて…と。
今晩の寝床を探さないと行かない。近くの道の駅を適当にゆくも良しだ。ただその前に風呂には入りたい。というわけで近くの温泉とかスーパー銭湯を探していたんですが、見覚えのある施設がありました。
遡ること6年の2016年、友人らとの金沢旅行の際に浸かりに行ったスーパー銭湯があったのです。一度でも使えば勝手知ったる我がスパ銭。
というわけでそちらに向かいまして、まず丸一日の強行軍に終止符を打ったわけです。
いやー、流石に疲れていたのでしょう。風呂に入ってなにか疲労とかそういうのが染み出していくのを感じながら、今更道の駅に行くのも面倒だってことで、スパ銭内の有料休憩室で休むことにしました。
最初使い方がわからず、二度三度と出入りをした後に自分のスペースを見つけて、耳にノイキャンイヤホンをつけてASMRを聴きながら寝る。
旅の途上にありとても、忘れがたきは耳かき音。
こうして2022年GWの大移動旅行の初日は更けていったのでした…。
初日行程はおおよそ以下の通り。
5時出発で1日でトータル12時間近くは運転したような計算だったかと思います。
出発から最初の目的地までで8時間近く運転するところが一番タフな部分だったのでしょうが、そこを旅出発時点はフル体力であることを活かしてやっていくのがこの旅程の肝ですね。
それに記事にも書いたように、その道中も楽しん運転しておりましたし。
やはり知らぬ道を進むのは楽しいものです。基本的には運転もし易い道ばかりでしたし。
そして、旅は本格スタートの2日目へと進みます。
(次回:2022GW北陸~中国~近畿車中泊旅行(2日目))
121.8