人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

『日本をゆっくり走ってみたよ ~あの娘のために日本一周~』を一気見していた

2017年にアマゾン・プライムで配信されていたドラマ『日本をゆっくり走ってみたよ ~あの娘のために日本一周~』の4話から最終回まで一気に見ていた日曜日でした。

 

主演の濱田岳さんが好きなのと、ヒロイン役の本仮屋ユイカさんも自分が見ていたドラマに結構出ていて馴染み深い方なのでとっつきやすかったっていうのもありますけどね。

なんと申しましても、日本一周という題材。ああ…いいなあ、憧れるなあ、と再生ボタンを押すに至ったのです。それが先週の週末だったと思いますが、今日で残りを一気に見ることにしました。

32歳の漫画家が気になるあの娘に告白するために、日本を一周して強い男になって帰ってくる物語。ストーリーはこれで説明しきっているでしょう。

 

印象に残っているのが、主人公が大阪で元カノに会いに行く話。

大学時代の元カノは結婚していてお子さんも身籠っている。家庭を築いて団地で幸せそうにクラスその元カノは最後主人公が再び日本一周に出るときに言うのです。「私は一生ここにいると思う。やっとそういう人生もいいと思えてきたから」と。

最初自分はこの一言を聞いたときにゾッとしたんですよね。一つの土地に縛られて生きる…っていうのが自分にはそういう感情を起こさせるものでした。故郷に帰ってきて生きている俺が言うのもおかしな話なんですがね。

そう言って見送る元カノが、なんか印象的だったんですよね。

主人公の吉本くんはこの元カノに出会うまでに高知や愛知でも旧友と出会っているんです。元カノも含めて、彼ら彼女らからは「吉本くんは変わんないねえ、いい意味で」と言われるんですよ。それはもちろん当人らからしたらいい意味で。しかし、家庭を持ったり、仕事をもったりした彼ら彼女らからしたら、変わらない旧友っていうのは「そうあってほしい」という願望も込なのかもしれない。一つの場所に縛られた自分が、何者にも縛られていなかったあの頃を思い起こすことの出来る旧友。主人公の吉本くんは良くも悪くも変わらずに32まで生きてきたわけです。

 

ただ、この大阪で元カノに出会って、再び日本一周の度に出る吉本くんは言うわけです。その時の吉本くんはタイトルでいうところの”あの娘”に振られたと勘違いしていたこともあり「本当はもう日本一周リタイアしようかと思っていた」と。ただそれに続けて「でもやっぱり続けようと思う。自分のために」って。

何が吹っ切れたのか、全てを言葉で説明するのは野暮だなと思うんですよ。もしかしたら、吉本くん本人もすべてを語らなかったのではなくて、全てを言葉にすることができなかったというほうが正しいのかもしれない。

 

いいなあ…って思うのはこの大阪で元カノに出会って以降、吉本くんに対して「変わんないねえ」って言う人がいなかったんですよ。元アシスタントの梅本くんや実家で両親と会ったり、昔の吉本くんを知る人も出会っているにも関わらず。

やっぱり「自分のために」と決意した瞬間に、なにか変わったのかもしれません。

 

そして、旅の最終盤。要潤さん演じる大学時代の先輩が、共に飲み明かした翌朝に出発する吉本くんに言うのです。「お前変わったよ、いい意味で。」って。くーっ…ロードムービーの醍醐味。旅のはじめと旅の終わりでこの…この…対比な。

しかし濱田岳さんの演技もすごいと思うのです。見ていても序盤の吉本くんと終盤の吉本くんの雰囲気は違うんですもんな。役者さんってすごい、改めてそう思いました。

 

旅の途中には色んな人との出会いがあって、それらの大半が一期一会なんだと思うとジーンと来るものもあるのです。でもそれも旅の醍醐味だよなあ…。普通に生きてたら会うことがなかった人、もう二度と会うことがない人と一瞬だけ人生を共にするって。

コミカルだったり、腹が立ったり、いい人だったり…種々様々な人と旅の中で出会うってこれもまたロードムービーの醍醐味。

 

さて、最後に。

吉本くんが日本一周をしたのは3~4ヶ月ほど。

30年以上生きてきた人間が、日本一周をするだけで簡単に人生観が変わるのか。自分はそんな簡単に人って変わらないと思います。じゃあ劇的に変わらないのだとしても、なにか変化はあるんじゃないか、それは間違いなくイエスだと思います。

旅って、そういうこともある。間違いなくすべての旅がそうだとは言ってませんよ。でもその人の人生観に、わずかばかりでも影響を与える旅ってのはあるんですよ。そういう少しの変化っていうものを丁寧に描いている作品だなと思うので、自分はこのドラマ好きですね。

 

プライム会員だと見られますので、暇な方はいかがでしょう。

旅好きの方なら刺さることもあるかもしれません。

 

 

182.2(109.1)