人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

20/08/08~09 瓶ヶ森登山山行 テント泊編

記事を書くときの鮮度って一ヶ月くらいかが限度かなという説もあるので、今急いでこの前の山行記事を書いております。

 

2020年8月の三連休を使って、近場の山にテント泊の練習をしようと思って計画を立てていました。

 まずはテントだけ担いで普通のキャンプ場に「野外で寝る」ことへの練習をしに行こうかとも思ったんですが、二回に分けると週末二回分を費やすことになってこの夏中に終わるかな…という不安もあったので。

探していたところ、松山から石鎚山方向に向かって更に奥側にある瓶ヶ森がちょうどよいだろうと思いましたので、そちらに決めました。

 

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松山市内から瓶ヶ森登山口駐車場までは約2時間と少し。

 



今回のテント泊練習山行での目標は2つ。

①テント泊装備のパッキングに慣れる。

②現地での設営、食事、睡眠の雰囲気を掴む。

 

 

まず、①について。

6月にテント泊装備の山行練習ということで石鎚山への日帰り山行をしました。すると、「水を詰めるスペースがなく、加えて調理用にも水分を使ったため、飲料水が不足がちだった」「パッキングが上手に出来ていなかったのかザックのフィット感が悪く、歩行への負担が大きかった」という問題点がありました。

水については、これまでペットボトル等でもって言っていた水分についてとうとう不定形のウォーターキャリーを購入。

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ザックの背面スペースにすっと差し挟む形で3Lを持っていけるのは単純に水量としても安心できるし、背中に近いところには重いものを入れるのがセオリーなので、そういう意味でも理にかなっている。

しかもハイドロチューブ付きなので、山行中にザックを開くことなく歩きながらでも水分補給ができる。テント泊装備だと10キロ余っての重さになるザックを担いだり下ろしたりする必要がないというのは大きい。

このウォーターキャリーはmont-bellの松山店で店員さんに相談しながら購入したのだけど、同時にパッキングについてもアドバイスを貰いました。

ザックの中で場所を取るものの一つにシュラフ(寝袋)があるんですが、その問題について当初コンプレッションバッグという圧縮して体積を減らす事のできる収納ギアを買って解決しようとしていました。店員さんに「コンプレッションバッグないっすかね」質問したところ、ザックの容量と何泊かと聞かれて答えたところ「よほど変なものを持っていかない場合、詰め込んだら入りますよ。思いっきり押し込んでみてください」とのこと。

帰って思いっきり押し込んでみたら…おお!随分縮こまった。これまではテントもシュラフも結構高価なものであったためか詰め込みに際して、遠慮があったような気がする。登山ギアの強さを信じて思いっきり詰め込んでいればよかった……。

このくらいの荷物ですが詰め込みまくって入れることができました。

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②については実際の山行の中で話していこうと思います。

 

 

そんなわけで、出発前日にパッキングを済ませて翌日の昼前に松山を出発。

久万高原町を経由して石鎚スバルラインを延々登っていきます。石鎚山の土小屋登山口の横を通り過ぎて、ここから林道に入っていきます。土小屋から先は道が細くなるので運転には気をつけていかないと行けないような道になります。(実際帰り道では後輪が側溝にハマるシーンもありました)

 

瓶ヶ森登山口駐車場に到着したのは16時前。すでに10台弱ほどの車が止まっていました。全員がキャンプ場テント泊する人というわけではないでしょうけど。

準備運動をして登っていくと、木のあるようなエリアはすぐ過ぎて、途中からはほとんど気持ちの良い笹原を歩いていくような感じでした。

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時期は8月の真っ只中。下界はうだるような炎天下ですけど、すでに標高1500mを超えるようなところ、夕方ということもあり気持ちの良い風が吹き抜ける山道。今回水分含めて14キロのザックでしたが、やはりウォーターキャリーの位置が良いのかあまりしんどい思いをすることもなく、楽しい時間帯でしたね。

テント泊の練習に瓶ヶ森を選んだのは駐車場からならほどほど近いところにキャンプ場があるということがあります。30分ほどで瓶ヶ森第一キャンプ場に到着しました。

 

 

すでに6~7張のテントが設営してましたが、スペースはあったので場所を確保して設営開始。さあ屋外でのテント設営は練習含めてこれが二度目。

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……まぁ、なんとかなりました。設営に関しては結構練習していたので。だいたい30分ほどでテントを張ることが出来てたかと思います。まぁ、普通に遅いんですけどね、これ。

一人用テントって中のスペースは人一人寝られるくらいなので、ザックを枕にしてクッカーとかその他の小物類を横に置いてみるとちょうどスポットハマるような感じ。

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細引きをテント内に張ってランタン吊り下げられるようにすると「おお…ヤマヤのテントって感じだ」と一人浸っていました。

 

設営の次は食事です。

今回あんまり複雑なものを作るつもりはなかったので、ドライフーズとコンビニ食材を持っていって夕、朝と二食分を用意しました。

調理用に飲水とは別に持っていったボトルからやかんに水を汲み、ガス缶で加熱。調理らしい調理はこれだけでした。

トマトリゾットになめこの味噌汁に各種サラダ。山の中に置いても一汁一菜を忘れない大食漢の鑑。

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食事を終えると簡単に片付けをして、沈む夕日なんかを見つめていたり…。

 

キャンプ場はほぼ圏外なので、それが山の中にいることを一番実感させましたね。これまで登った山は道中においても圏外になることがあんまりなかったので。

日が沈むと、だんだん涼しくなってきます。暗くなるともうやることもないので、テントに引っ込んで寝るのみになります。ぽけーっと、周りを眺めてたりしたんですけど19時半にはもう寝始めようとしておりました。

 

この日は結構曇りがちで眺望がそんなに良くなかったというのもあります。

 

さあ、設営、食事ときて睡眠。屋外で寝るという経験。車中泊とはわけが違うのだなということをここで実感します。

風の音、そして途中雨も降ってきたようでテントを打つ雨の音。フライシートを飛ばされるんじゃないかとかそういう心配もあって、あと単純に音が気になって眠れない時間帯が続きます。途中気になって一旦外に出てペグを打ち付け直したりということをしていました。

「自分の設営に自信があれば安眠できるんだろうな」って自分のスキルと自然で勝負してるようで…。それは結構楽しかったです。

 

 

この日起きるのが遅かったっていうのもあるんですけど、寝付きも悪く途中21時くらいに近くにあるバイオトイレに行ってました。いやー、ほんと真っ暗なんですよね。ヘッドライトが照らす範囲だけが視界になる。

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トイレに行って真っ暗な中をキャンプ場に戻っていくとき、進行方向から刺す光が見えました。同じようにテントから出ていた人がいたんですね。自分の隣の場所にテントを張っていたおっちゃんでした。

「こんばんはー」って感じで通り過ぎようとしたら「星が出ましたね」と。

上を見上げると、夕方からガスっていた空に切れ目があってその範囲には見事な星空が…。足元ばかり見ていて気が付かなかった。

「今日はもう星なんて見えないかと思ってましたよ」と言うと「風が吹いてると切れ目で見れるかなーと思って待ってたんだよ」ということでした。いやー…星なんて久しく見てなかった。松山は四国中では一番の都会だし、そもそも夜に外に出て上を見ることがほとんどなくて。

写真も撮ってないし、撮ってたとしてもキレイに撮るスキルがないからお伝えできないのが口惜しいが…。あんなに綺麗なものでしたっけ星空って。自分もテント前で座ってヘッドライトを消してしばらく見上げていました。

だんだん目がなれてくると、明るい星だけじゃなくてその周りにいくつも星があるのが見えてきます。そもそも、なぜ山に登るのか…というといい景色を見たいってのがあるんですけど、夜の山で見る星空はまさにその目的を満たしてくれるものでした。

それに……これは非常に個人的な理由ですけど、今現在すべての山行は七霊山チャレンジへの練習という位置づけで登っています。七霊山チャレンジになぜ挑むかは願掛け、とある目標のための願掛けです。星空を見上げてるとそのことを思い出していました。その目標のために気合を入れ直したのが7月末の頃ですから、タイミングもちょうどよかったんですね。輝く星々を見逃さないように……。ふと、星空に手を伸ばしていたんですよね。うーん、これじゃ銀英伝のラストシーンになってしまう。そんな大層なものじゃない、諦めきれないなにかがあるから人は生きていけるのかもしれない。そんな実感を得たというところですかね。

とにかくも美しい星空だった。

 

 

話が逸れた上に長くなりました。

その後、テントに引っ込んで寝ようとするんですけど、神経が昂ぶっているのか、単純に目が冴えてしまったのか。寝付けずに22時、0時、2時とうつらうつらとしたら風の音で目が覚めるみたいな時間を過ごしていました。白状するとテント一枚隔てた外界への恐怖心みたいなものもちょっとはあったような気がします。基本真っ暗ですからね。

3時前くらいだったと思います、ふと気がつくとテントの外側に何かしらの光源があるような見え方がします。目はすっかり暗闇に慣れていたので、隣のテントのランタンの明かりとかを拾ってるのかな…と思ったんですけど、なんだか妙だな…と思って。しばらくしてから外に出てみました。

光源の正体は山裾から出てきて、雲間からも出てきた月だったんですね。

いやー……月光ってあんなにも明るいものなのかと驚きました。普通にライトもなくキャンプ場を見渡せますし。上空を見ると雲も晴れておりました。月光を感じたのもそのためのようでした。

この月の光を見たときに、なんというかすごく安堵してました。ホッとした……というような。

時間は4時前、山頂までは30分前後。もとより日の出をみたいなと思っていたので、最低限の荷物以外はテントに置いた状態で山頂にアタックしていきました。

 

②の目標については設営、食事はほどほどですが、睡眠については結局ほとんど取れてないので、改善の余地ありという結果になると思います。でもまあ、そこは慣れかなーと思います。

素晴らしい星空と月光を見ることが出来たので、山で夜を過ごすことにすごく前向きになれました。

 

 

長くなってしまったので瓶ヶ森の山頂アタック編は別記事にしますね。