人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

見上げてごらん夜の星を

※本日の記事、Fateシリーズのネタバレを含みます。ご注意ください。

 

数日前こんなニュースを見た。

 

www.astroarts.co.jp

そうか、もう10年前になるのか…、と当時のことを感慨深く思い出していた。
自分は探査機はやぶさについて打ち上げ時から注目していたわけではなく、数々の苦難を乗り越えて地球へ帰還する途上で話題になっていく中で「おお…すげえ…」となっていったものである。
ニコ動の「こんなこともあろうかと」動画なんてよく見てましたね…。今でも動画は残っているらしく久しぶりに見ていた。

 

www.nicovideo.jp

 

自分が探査機はやぶさに夢中になった理由…おそらく、それはこのブログでも時折話題にする「人ならざるものが持つ人格」を感じたからだと思う。
昔、三式機龍に感じていたような…。最近だと劇場版のガルパンで各チームの戦車たちに感じていたような…。無機物なんだけど、どうしても人格めいたものを感じてしまう類のもの。
自分の持ち物にしてみるとわかりやすいかもしれない。愛車や木材やPCなどなど自分が人生をともにしてきた「物」というのはいつしか人生と共に歩んできた「者」になるとでもいうか…。

 

はやぶさに対してはこの「人ならざるものへの人格」とでもいうようなものを多くの人が共有していたような…そんな気がする。(科学と技術の領域にこうしてエモーショナルな感慨を持ち込みすぎると関係された皆さんへの敬意を欠くようで気をつけないといけないとも思うが)
度重なるトラブルに対してあれもこれもと対応策を用意していた技術者の皆さんの用意周到さはある種親心のようなものも感じさせるし、小惑星のサンプルがはいったカプセルを地球にむけて分離するという役目を終えたはやぶさに対して最後のミッションとして地球の写真を撮影させるというのもどこか人の心を感じさせる…。
しかし地球に帰ってきたはやぶさも驚いたんじゃないだろうか。出発するときも大勢の人の期待を背負って打ち上がっていったんだろうけど、帰ってきたときにはその時よりも大勢の人が帰還を待ち望んでいたわけだし…。
自分も10年前の6月13日はオーストラリアからのネット中継を見ていたものです。「いってらっしゃい」を言うことはなかったんだけど、「おかえり」はしっかり言ってあげて迎えないと…そんな心持ちだろうか。人ならざる探査機に感情移入してしまう。

 

はやぶさ帰還から10年というニュースを見て、ふと思い出したのが少し前に呟いたした直後に消したツイート。
そのツイートはゲーム『Fate/Grand Order』(以下FGO)のコラボイベントでとある英霊が実装されたという話題に対する感想とし「そんな英霊いるのかよ、テンション上がるな」という旨のツイートだった。Fateシリーズに詳しいわけではないのだけど、英霊の真名は盛大なネタバレになるので「これはいけない」と思ってツイートを消したのだった。


その実装された英霊というのが「ボイジャー
航海者の意味を持つその英霊は1977年に地球から打ち上げられた2機の探査機「ボイジャー計画」に由来を持つ。
…そうか、人ならざる英霊もいるのか!とテンションが上がってしまって、先のツイートをしたわけ。どうかあのツイートをみて「ネタバレくらった」と怒っている人は許してほしい。
太陽系の多くの惑星を観測し、そして現在は2機とも太陽系圏から脱出し、はるかな航海を続けている。ボイジャー1号は地球から最も遠くに位置する人工物であり、今もなお人類未踏のフロンティアを開拓し続けているのだ…。あー、ロマンだ…。

 

英霊という人格(?)を得たのだから、まさしく人ならざる人格となったボイジャー。地球から最も遠くに位置するということは、人の歴史上最も孤独な存在であると言えるのかもしれない。
そんな彼の、最後のおそらく最も永いミッションが地球外知的生命体への人類存在の伝達。ボイジャーには地球の生命や文化の存在を伝えるレコード盤が搭載されていて、遠い未来に地球外知的生命体がボイジャーを見つけたときにそれを伝える事ができるようになっている。ボイジャーが次に接近する恒星までには4万年がかかるとも言われているし…もしかしたらボイジャーのもつゴールデンレコードは人類の存在をこの世界のどこかで示す最後の物証になるのかもしれない。
ボイジャー原子力電池の寿命が尽きるのは2025年あたりということらしい。終わらない使命を帯びて、彼も永い眠りにつくのか…。

 

 

はやぶさボイジャーと。地球に帰還する使命を帯びた彼と、地球から離れていくことを使命とする彼。そんな二人に思いを馳せていた。

 

ところで、はやぶさが最後に地球を撮ったように、ボイジャーも自分のカメラの電源を切る直前に地球の写真を撮影している。
真っ暗な宙空のなかにある、言われないと気が付かないような一粒の点。地球から最も離れた位置から撮られたその写真の名は「ペイル・ドット・ブルー」FGOにおいてはボイジャーの宝具となっている"遥か遠き青よ"

www.huffingtonpost.jp

 

 

例によって人ならざる人格をボイジャーにも感じてしまうので、遠い地球から勝手に「がんばれ」と念じながら今日の記事はここまで。

 

 


110.8