人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

海を超えて届け「頑張れ」の声 ~秋山翔吾の門出に際して~

仕事終わりのついさっき、ニュースサイトを見ているとこんなニュースが目に止まった。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

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ライオンズの…ともういえないが、元ライオンズの秋山翔吾が所沢のライオンズ球団事務所に挨拶にやってきていたらしい。NPBの球春到来も近い。きっとMLBもそろそろ準備の時期がやってくるんだろう。

 

これが最後かもしれない…そう思ってCSファイナルの秋山の打席を見つめてからもう3ヶ月が立つのか。あっという間だったような気もする。「来年も一緒に戦おうぜ」と思う気持ちは、それ自体が秋山の幸福を望まない呪詛の言葉のような気がしてあんまり口に出せないでいた。一方で「あっちにいってもしっかりな」という気持ちも、根っからのライオンズファンの自分としては心底言うことができないでいたりした。MLBに行った元ライオンズの選手がみんながみんな帰ってきてくれるわけではない、ということを身にしみて知った直後ということもあったと思う。

 

でも、もう秋山はぼちぼち日本を発つ時期になるのだろう。俺のことだ、キャンプが始まったらまたライオンズの選手に声援を送ることに夢中になってシンシナティ・レッズの試合を見るという機会はそうそうないだろうとも思う。だから、今、いよいよ秋山が球団事務所に挨拶に訪れたという今日、なにか言わなければ…。

 

 

遡れば2010年。大石達也の獲得にワクワクしていたその年のドラフトで秋山翔吾は入団した。ライオンズ栄光の偶数年ドラフト3位である。

ルーキイヤーの2011年シーズンの開幕から秋山翔吾は出場していた。俺は大学生になりそれまで以上にライオンズの試合が見られるようになっていた。2012年に打撃成績を大きく向上させ大器の片鱗を見せる。2013年、2014年と少し成績を落とすものの、次第にライオンズのセンターを定位置にしていく彼の姿を見ることができた。

2015年にとうとう誰もが認めるヒットメーカーへと開花。イチロー選手のパ・リーグ記録、マートン選手のもつNPB記録(214安打)を破ってのシーズン216年安打をぶちあげる。209安打でシーズンラスト2試合を迎えると、5安打、2安打と積み重ねての新記録。ここぞの集中力の凄まじさを思い知った。

守備のみならず、打者としてもチームの主軸として活躍し始め2015年以降は首位打者1回、最多安打4回と素晴らしい成績を残す…本当にいい選手になった。

 

でも、俺が秋山について一番思い出深いのは、何度も言ってる2018年序盤のヒーローインタビューでのことだった。

遡れば、5月の秋山のヒロイン。
「ファンの皆さんと共に強く」という言葉があった。
レフトスタンドからの「気合を入れろライオンズ」のコールに対しての言葉だった。
そうだ、気合を入れろなんて、向かい合いの言葉じゃない。「共に熱く、共に強く」の言葉通り、ライオンズと共に戦う。

俺は埼玉西武ライオンズを信じる - 人生、東奔西走 より)

 

開幕超ダッシュを決めながら、5月に入って少し息切れをし始めたライオンズ。10年ぶりの悲願の優勝に前のめりになっていたレフトスタンドからの「気合を入れろ」コールに対して、その翌日のヒロインでのことだった。「気合を入れろと言う声もあるが、選手は気合を入れて勝ちにいっている」「スローガンにも『共に熱く、共に強く』とあるしファンの皆さんと一緒に戦っていきたい」というニュアンスの言葉だったと記憶している。

その言葉がね…俺は本当に嬉しかった。こちらが良くないときには良くないと言ってくれる、もっというとこちらの声援をちゃんと聴いていてくれてたんだな…って。(件の気合を入れろコールは声援という分類はできないだろう。加えてもちろんプロスポーツ選手に対しての声援っていうのは、高校野球・サッカーであったりアマチュア選手への声援と種類が違うと言われるとそのとおりなのだけど。)

秋山の件のヒロインはその直後から本人が不振に陥ったこともあり、揶揄されることもあった。秋山翔吾という選手はそういうところでもド真面目で…。なにからなにまで「まじめっ!」というオノマトペが頭上に見えているような気がするのだ。

 

そんなクソ真面目な秋山をキャプテンに据えて迎えた2019年シーズン。彼を優勝チームのキャプテンにできてよかった。

でも、忘れ物がある今シーズン、「やっぱり来年も共に戦いませんか?」と言いたくなる気持ちは今でも消えない。俺はね…どうも秋山のいないメラドのセンターが想像できないんだ…。

それでも…、こればかりは仕方ない。俺は埼玉西武ライオンズNPB最高のチームだと信じているが、ライオンズもライオンズファンも、その舞台だけは用意してやれない。世界最高峰という頂、MLBの舞台だけは用意してやることができない。

考え方を変えてみてはどうだろう。我等がキャプテン秋山翔吾はその世界最高峰に請われて行くのだ。秋山の夢はただの夢想ではなく、その挑戦権を自らの力で掴み取るにまで至ったのだ。うん、やっぱりそれは言祝ぐべきことだ。おめでとう、秋山翔吾

 

秋山はド真面目だから、今日球団事務所に挨拶に行った時「おめでとうと言っていただきました。球団としてはそんなに言いたい言葉じゃないとは思いますけど、それを皆さんから言っていただいた。」とコメントしていたそうな。

そりゃあ…最高の中堅手がいなくなるんだ、痛手でもある。でも、そこでわざわざそういうことを言ってくれる。ド真面目というか嘘偽りがないというか、なんというか「秋山翔吾だなあ」って思う。

俺の「おめでとう」にも「来年のセンターは…」「打線はどうなる」「文化放送の決意の一言は…」っていろいろな心配と表裏一体ではある。でも、やっぱりそれらを全てしっかり考えた上で、やっぱり「ありがとう」と「おめでとう」で送り出してやりたい。

 

 

 

今日の挨拶でファンに向けたコメントとして「僕の中では登場曲(※THE BLUE HEARTSの『人にやさしく』)を変えずにやってきたこと、応援歌の流れは励みになっていましたし、それに応えられるようにという思いはずっとあったので。」と言ってくれていたらしい。

MLBで唯一日本人が在籍したことのないシンシナティ・レッズに入団する秋山翔吾。言葉通りの意味で前人未到。そんな地に向かう秋山翔吾。家族もいる新たなチームメイトもいる。決して一人ではないだろう。秋山ならきっと大丈夫。それでも、レッズファンの期待を背にする前に、ライオンズファンからの最後の声援を浴びていけ。

 

 

僕が言ってやる。でっかい声で言ってやる。

ガンバレって言ってやる。聞こえるかい。

 

頑張れ!!

 

 

 

さあ、全てを超えてこい!秋山翔吾!!