人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

2018年九州の旅 6日目

(前日へ: 2018年九州の旅 5日目 - 人生、東奔西走)

 

前回の記事から10日。そろそろ佐賀県で眠りについている自分を起こさないといけない。

6~7日目はイベント数が少なく割とサラッとした旅行記になると思う。 

 

 

さて、九州6日目の朝。この日は佐賀から福岡に至る道筋である。

…ただ、朝起きてなんとなく気怠さがあることに気がつく。風邪というわけではないだろうけど、流石に疲れが出てきているんだろうか。

なにはともあれ朝ごはんだ、というわけで車中泊していたSAでラーメンと明太子ご飯のセットを注文。エネルギーを取れば、改善するだろう。

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しかしこれから福岡にも行くというのに明太子ご飯を頼むとは、気持ちが先走りすぎていないか。佐賀県民の心境やいかに。永江恭平くんは佐賀県民なんだぞ。

 

ご飯を食べて車に戻りカーナビをセットしようとする。が、佐賀県に突入したもののこの日も予定を考えていなかった。

候補としては呼子イカを食べに行くか、吉野ケ里遺跡か…。しかし、この日のうちに福岡市まで行くことを考えるとあんまりあっちこっちに行くことは現実的ではない…。

それにこの気怠さ…。まずは温泉だな。温泉でいろいろ考えよう。

 

というわけで、近場の温泉を調べて小城市の公営施設に狙いをつけた。なんでも温水プールと併設されている施設だが泉質が非常にいいらしい。

SAを出発したのが9時前。そこから一時間半弱で到着しましたるはこちら。

牛津町保健福祉センター、瀬の里温泉「アイル」

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賞賛なんてなくたってかまわない…たどり着きたい場所があるから。それがここ佐賀県小城市にあったわけか…。1時間半しか運転してないのに、あっという間に疲労困憊してしまって、もうなんでもいいから風呂につけてくれ…の心境となっていた。

駐車場に車を泊めて館内に向かうんだけど…あれ?これ温泉どこ?温水プールはあるけど…。館内をフラフラとしていたら、総合案内所に流れ着く。

「すみません、温泉ってどこですか…?」

「いま来たところ戻ってもらって右手ですね。」普通に見落としていた。

旅の恥はかきすて、こっ恥ずかしさなどいちいち感じてはいられないのだ。お礼を言って温泉窓口で料金を払い脱衣所を経て浴室へ。

なるほど、確かにこじんまりとしているが、かけ湯をした瞬間にわかる泉質。からだがなめこのようだ…。

それに近隣住民の方も大勢利用しているためか、木曜日の朝だというのに浴室内は結構賑わっていた。髪と体を洗って浴室へ。

あー、これは良い。温度もほどよい。あー、ずっと浸かっていたい。

しかもここにはサウナがある。温泉の規模的にはこれでサウナ点けてくれるのありがてえな。サウナでしっかり汗をかく。さらにサウナ横の階段を上がると2階に露天風呂があるらしい。

結構混んでいたけど、高いところにあるので眺めも良い。泉質も相変わらずだ。地元のおっちゃんたちに混ざって体積110Lの男が体を沈める。

遠く山々(方角がわからないので一体何山かはわからない)を眺めながら、ぽーっとしているとおっちゃんたちの会話が耳に入ってくる。どうやら温水プールに通っているおじいちゃん方と長距離トラックドライバーらしい。

麻生太郎安倍晋三の腰巾着ばい」みたいな会話が聞こえてきた。一般的に政治・宗教・プロ野球の3つは世間的に地雷原とされる会話のネタである。それを公衆の場で豪快にネタにする。これが九州男児、佐賀の男の生きざまである。幕末雄藩肥前の魂は生きているのだ。

「まぁ、こんなこと飯塚で言いよったら半殺しったい。ワッハッハ」マジか…。魔境じゃねーか福岡…。まぁ、福岡魔境説は俺も実感するところではあるが、主に野球で。

とにかく九州男児は豪快なんだな、という感想を得て温泉から上がる。休憩所でサイダーを飲みながら、今後のルートを考える。

 

 

 時刻は12時前になっていたし、今から呼子に行くのは現実的ではない。吉野ケ里遺跡観光も同様。さて…となると…。

とりあえず昼飯だな…と思ってグーグル検索。

このあたりになると、その街で何を食べたらいいか検索するのが大体うまくなってきていた。「市町村名 グルメ」で検索してみると大体網羅されたページが出てくるのだ。

検索した結果…佐賀市に海鮮料理を食べられるお店を発見。

車を走らせること30分ほど。到着したるいけす料理店。なんでもイカも食べられるらしい。うっひょー、やるじゃん佐賀市

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車を駐車場に止めて店内に入ると、フロアのど真ん中に大きないけすがあって、囲むようにカウンター席、それを囲むようにテーブル席、座敷といった様子。

天下無敵のお一人様なので、カウンター席に案内されメニューを眺める。

イカの活造り定食。そうそう、これを食べに来たんだよね。と、ほとんどノータイムで店員さんに注文する。「あ、今日は…ちょっと待ってくださいね」と厨房に引っ込んでいく店員さん。あれ?この流れって…。

戻ってきた店員さんが申し訳なさそうに「すみません、今日は活造りできるサイズのイカが入ってないんですよ」と。ガーン、出鼻を挫かれたな。

「すみません、時間をください」と断ってから再びメニューに目を落とす。どうするか…。刺身定食的なセットもいいけど、それはどうもご当地感がないな。何か無いだろうかと探していると「有明海 白エビのかき揚げ膳」の文字。ビビッときた、これでいこう。

注文して数分、到着しました白エビのかき揚げ膳。

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小鉢も多くて、いいっすなー。さっそくメインのかき揚げを一口。揚げたてのかき揚げのサクサク感と甘さ。イカがなければエビを食べればいいじゃない。平成のマリー・アントワネットは佐賀にいたのか。

白ごはんとかき揚げって多分間違いがない。塩でいただくのもよし、つゆで頂くもよし。

 

満足して会計を済ませて車に戻る。天気は相変わらず悪いがまだ空は泣き出してはいなかった…はず。もう記憶も曖昧になろうとしている。多分降ってなかった。

天気は忘れたけど、車に戻った俺の目に飛び込んできたニュースは忘れていない。

「炭谷の人的補償として内海哲也がライオンズ入団」

えっ、マジか!?非常にテンションが上がる。先発投手が壊滅しているわがライオンズにとってこれは非常に大きな移籍。

おい、旅行中やぞ。野球から離れろ、というのは無理です。基本的にライオンズとアイマスは魂と不可分なので旅行中でもこれです。

ちなみに、このニュースを受けた俺は喜び勇んでジャイアンツファンの弟にLINEを送った。以下にそのやり取りを抜粋する。

俺「内海哲也をありがとう」

弟「炭谷で内海は割に合わんわ」

俺「勘違いするなよ、先に取ったのはそっちだ」

俺「それがFAやぞ」

俺「奪うなら相応の犠牲を払え」

弟「金銭にしてよ」

俺「甘えるな」

超スパルタ兄貴だ…。旅行中にやる会話じゃねえ…。

 

まぁ、このニュースに気分を良くした俺は、コンビニでブラックモンブランを買って食べながらその後のプランニング。

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宮崎の辛麺に始まり、鹿児島、熊本、長崎でも麺類を食べているので、ここでも佐賀ラーメンを食べることにする。ちょうど近くに一件なかなかの人気店があるということなので、立ち寄ってその勢いで北上して、国道263号線をしばき倒して福岡入といこう。

立ち寄った佐賀ラーメンのお店は普通の民家をくり抜いて店舗にしたようなたたずまい。床が油で滑りそうになっていたのが、ザ・九州のラーメン店って感じでいいっすな。

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とんこつガッツリという感じの見た目に反して、結構スーッと入っていく感じ。とんこつラーメンに対する耐性できてるよな、こう毎日食ってると。別に胃に残るようなこともなくなってくる。

向かいの席ではお父さんとちびっこが1杯のラーメンを分け合って食べていたのが微笑ましい。1杯の佐賀ラーメン…、平成最後の感動大作になるか。

 

さて、腹を満たして一般道を北上。どんどん山道に入っていく。思えば、がっつり山道は阿蘇以来ではないだろうか。途中有料トンネルの料金所があった。ああ、阿蘇でもあったなあ…、そんなことを思いながら福岡市に向けてどんどん山道を下っていく。

 

このあたりで天気がいよいよ悪くなって雨が降ってくる。傘が必要かな…?と思って途中ファミマとドラックストアの複合店に車を止める。そのタイミングでふとスマホを見ると、この日二度目のビッグニュースが。

杜野あかりちゃん、モバマス実装である。ほんと旅行中でも普段と変わらないニュースの拾い方してる…。記事を書いてる4月29日現在でこそもうしっくり来ているけど、当時は「ンゴ」が語尾の新アイドル登場にはびっくりしたものだ。びっくりしすぎて、傘を買い忘れた。結局、傘を持たずに福岡市街に突入してくこととなる。

 

福岡市街地での目的地は福岡タワーと福岡ヤフオクドーム

福岡タワーは「VSスペースゴジラ」の聖地でもあります。

スペースゴジラが福岡タワーをスペースパワーの受信塔にして、博多一帯をバトルエリアにするという一幕があります。まぁ、結局映画の中で福岡タワーはゴジラとMOGERAによって地上と地下から破壊されるんだけどね。

福岡タワーの駐車場は館内利用者だと2時間ほど無料になる。非常に良心的だ。車を止めてタワー内に突入。時刻は夕方。アジア系の助っ人旅行客とカップルで結構人が多い。展望台のチケットを購入してエレベータで上昇。

エレベータ内は二組のカップルと俺、エレベータガールの6人だった。

エレベータは外側がガラス張りになっており、福岡タワーの内部鉄骨がよく見える。上昇しはじめてすぐ、鉄骨のところに雪だるまのモニュメントが置いてあった。クリスマス直前ですもんね…、あっそうか!これタイミング的にクリスマス直前だ!なるほど!カップル多いわけだ。

エレベータ上昇中にエレベータガールの方が福岡タワーの概要を説明してくれていたわけだけど、どういう表情で聞くべきなのかと毎度思う。高高度エレベータ移動中の表情メソッドが欲しい。大体「ほへー、そうなんすねー」みたいな感心顔で聞いているが。

そんな空間での1分弱を過ごして、到着したるは福岡タワー展望台。有明海と福岡市街を一望できるパノラマの風景ですね。ただ…天気が悪い。しかも時刻は16時過ぎくらい。夜景が見える時間帯でもない。というか夜景が見える時間ならもっと混んでいるのだろう。

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少し夕暮れを待ってみたものの、完全に日が沈むまで待っていてはこの後の行程に支障が出てしまう…いや、この後の行程決まっていないんだけど。どちらかというと朝方に感じてた疲労がぶり返してきたようだ。

福岡タワー展望台の恋人の聖地エリア付近のベンチで座って20分くらい休憩しながら、暮れゆく福岡を見つめていた。近くを通るカップルたちの目線が痛い。悪いなあ…と思いつつも、立ち上がる元気もないくらいに疲労困憊という風になってしまっていたのだ。一度座ると立ち上がれないのは仕方ないね。

しばらく休んで、流石に出発しようと立ち上がる。見下ろす福岡市街はもうすっかり暗くなっていて。ああ、これが暮れなずむ街の光と影の中…去りゆくあなたに贈る言葉か…。海援隊ファンムーヴを一人福岡タワーでかましてから地上に降り立つ。

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(写真は暮れ始めた福岡市街)

 

さて、雨がポツポツと降っている中、福岡タワーにほど近くにある、嫌というほど見慣れた、それでいて今まで来たことのなかったもう一つの聖地に向かう。

福岡タワーが「VSスペースゴジラ」の聖地なら、平成ガメラシリーズの開幕は福岡ドームが舞台だった。怪鳥ギャオスをおびき寄せるために福岡ドームの開閉式屋根ギミックを使い閉じ込めようとするも、ギャオスを追ってガメラが登場。福岡ドームにて相まみえるのだ。

うーむ、自分に嘘をついている。平成ガメラの聖地であることは確かだけど、それ以上に福岡ドームに行く目的は、この球場には数多の九州ライオンズファンの血と涙と汗が染み込んでいるからだ。数多くの無念をすすってきたこの球場のレフトスタンドに鎮魂の祈りを捧げなくては、俺は2019年に進めない…。

まぁこれも誇大広告じみてて。そのあたりの妄執は優勝と共に去っている。俺は長谷川勇也のグッズがほしかったのだ。球場には公式グッズショップが併設されているだろうし…。

雨の中しんどい体を引きずって、福岡ヤフオクドームへ向かう。球場外周への階段を登りきったとき、目に飛び込んできたのは…。改修中のヤフオクドーム。


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ええ…。しかもグッズショップも営業時間終了か定休日かでやっていなかった。

そうか…ライオンズファンに売る長谷川グッズはないということか、よかろう。2019年も真剣勝負じゃ。勝負、勝負。勝負の一念。

そんなわけでほうほうの体で敗走。そうか、九州のライオンズファンはいつもこんな気持で帰っているのか…やはり彼らのためにも2019年は勝たねばならない。決意を胸に車に戻る。

下から見上げた福岡タワーは青くライトアップされていた。青く…。

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しかし、本当に疲労が深刻だ…。屋台にラーメン食べに行ったりしようかとも思っていたけど、この雨だし市街地車で突入していくのは気を張るし…。

そんなとき、人が求めるのはいつだって温泉ですよ。そういうわけで、福岡市内のスーパー銭湯を探す。ちょうど海沿いのフェリー発着場近くにあるのが判明。

車を走らせてそこに向かい、温泉に突入。

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この旅行に持っていった温泉セットはずっと大活躍だな。

ヘロヘロになりながら湯船に浸かる。ぬるま湯で炭酸泉。スーパー銭湯だから、泉質という意味ではここまで入ってきた温泉軍団には劣後に位置するが、福岡のこの位置にあってくれたというだけでも、この旅行における貢献度は決して低くない。

ぬるま湯にぼへーっと浸かりながら、テレビを眺める。日本人とスウェーデン人の国際結婚の再現ドラマをやっていた。娘さんの父親に反対されたスウェーデン人の青年が、結婚をお父さんに認めてもらったきっかけはなんでしょう。というクイズ。ぼへーっとみていると、「正解は、手紙を書いて想いを伝える。でした」とのこと。でも口語より文語のほうが、用意する時間とかできるし難易度的には低くないかな…とか考えてしまうあたり、俺には多分そのあたりの情緒を解していないところがあるのだろう。逆上せないうちに風呂から上がる。

休憩所に人を駄目にするソファがあったので、そこに沈み込み休むこと30分ほど。

6日目は本当に体力と相談しながらの一日であった。福岡はなんどか訪れていることもありあっさりと退散してしまったが、天気の悪さと体力があれば…もしかしたらもう少しいろいろ行っていたかもしれない。しかしまあ、福岡はまた行く機会もあるだろう。それはライブかもしれない、ライオンズ戦かもしれない。まぁ、九州の中では行きやすい方なのだ。モツ鍋も食っていないし、ラドンの聖地である天神エリアにも行っていない。またいつか来よう、福岡。

 

車に戻り九州自動車道を南下、鳥栖JCTにて大分自動車道に分岐。

山田SAにて車中泊の床を整え、夕食に豚重を頂き、その他名産のアップルパイなどなどを買い込み、エネルギーを補給。


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最後の一泊に備える。長かった九州旅行の最後の就寝である。

 

この翌日は旅行7日目。大分由布院編となります。

さぁ、ラスト1日。感動の結末がそこにある…のか?

 

(翌日:2018年九州の旅 7日目 - 人生、東奔西走)