TSUTAYAに行くと、結構魅力的なタイトルの映画がたくさんあって、借りようという気持ちにさせる。
とはいえ、タイトルだけを判断材料にすると、『人生の約束』のときのような、上げすぎたハードルを越せない問題もある。
今回そのタイトル名ハードルに挑むのが2009年公開『風が強く吹いている』
天に与えられた“走る”才能をもった2人の若者が出会った。
致命的な故障でエリート・ランナーへの道を諦めたハイジと、ある事件から走る場を追われたカケルだ。ハイジはカケルこそが秘かに温めていた計画の切り札だと確信、壮大な夢への第一歩を踏み出す。
それは、同じ寮で共同生活を送る8人のメンバーと学生長距離界最大の華といわれる<箱根駅伝>出場を目指すこと。ところが彼らは陸上から縁遠い上、漫画オタクや25歳のヘビースモーカー、アフリカから来た留学生……。
しかし、ハイジの緻密なトレーニング法と走ることへの信念、仲間への揺るぎない信頼が、皆を変えていく。
やがて明かされる、ハイジの故障の理由とカケルが起した事件の真相、そして8人それぞれが抱えてきた本当の想い。
果たして、心を一つにした10人は、箱根の頂点に立つことができるのか ―――?
ポスターに人生ってワードが入っている辺り、俺が好きそうな一作ですけど、ハードルを超えてくれました。
ところで、ここで映画評とか期待されても困る。そういうのはキネマ旬報とかの本職さんにおまかせしていただきたい。
あ、一応以下ネタバレ入ってますので。
さて、いいなあと思ったのは走るメンバーの10人全員に感情移入ができるようにできているということ。二時間と少しの映画内でよくぞここまで…。
中でも5区担当の神童(あだ名の神童の由来:過疎地の地元では、子供の数が少なくて勉強もスポーツも一番だったからというもの。本人曰く「都会に出てきたらただの凡人」)が当日体調不良の中芦ノ湖までタスキを繋ぐとこね…。つなぐとこというか、繋いだあとぶっ倒れて目を覚ましてからの電話のくだり。
電話先はその田舎なわけだけど、「みんなもうやめろって言いながらテレビを見てたけど、あんたやめねっから…、本当に神童だったんだねえ」っていう母からの電話で。
これもうだめでしたね。最近東北とか九州の訛で諭すシーンは結構ダメこれ案件ですわ。
ベタだけどアンカーのハイジが足ぶっ壊しながら走るシーンもね…。
高校野球とかでも、180球完投とかすると、「ここでキャリアが終わりじゃないんだから」とかよく言われるけど、これがラストランと本人が決めたのなら、それはもう諸人に異論を挟む余地はなく…。
何かの終わらせ方って難しいよね…。ズルズルと続けるんじゃなく、この最高の瞬間で終わりにするというのも一つの人生かなとは思いますけど。
こういう見終わったあとに爽やかに感動できる映画が好きなんすよね。
サンキューTSUTAYA。