人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

野上亮磨について

時刻は23時前。
最近いそがしくて、部屋に戻ってくるのが22時過ぎとかザラだ。まあ、べつにどうでもいいんですけどね。
望んで自分を酷使しているわけではないけども、多忙で圧殺されているほうが楽な心境というのもあります。


元・西武ライオンズ野上亮磨が読売巨人軍へのFA移籍をすることが確実となりました。

当初、阪神DeNA、西武の三つ巴の争奪戦・残留交渉戦とも言われていましたが、突然出てきたジャイアンツが3年4.5億とも言われる高額の年俸でかっさらっていきました。

 

まず冷静に前置きを。
FAは選手の権利。そして、巨人は西武含む他球団よりも好条件を提示したのでしょう。
年俸というある種絶対の評価基準を選ぶということ。ジャイアンツという球団のブランド力。妻子もあることですし、そういう選択に道理は通っている。筋は通っている。人間心理として全うな選択をしている。
FA権をとるまでの長い年月、チームに貢献したということも含めて、本来FA移籍に対して文句を言うことこそ筋が通っていない。オーケー。
そういうことをわかった上で、ここから下は書き続けていきます。


今年、ほぼライオンズブログと化していたこのブログ。
野上亮磨について書いた部分もたくさんあるわけです。

 

2017-4-1 【●L1-3F○】 今シーズン初黒星 しかしただの負けじゃない - 人生、東奔西走


ただまぁ、野上亮磨、個人的にかなり好きな選手なんであんまり強く言いたくないんだよなぁ…。開幕2試合目を任されるというあたりにも、今シーズンの好調さを首脳陣が感じているのだろうし、次登板こそ2017年を始められるように。

 

2017-4-8 【●H1-6L○】 待ちわびたホーム初勝利! 優勝の予感を春風に乗せて - 人生、東奔西走


先発野上の6回1失点の好投。今日はこれに尽きますね。

トータルバランスのピッチャーが調子のいいときというのは、全体的に手がつけられなくなるものなのだなと実感します。

 

2017-4-15 【●L0-1M○】 ビックカップル対決ではなく、超えねばならぬ壁と投げあった野上亮磨 - 人生、東奔西走


さて、野上亮磨は一時期、量産型涌井と言われていた時期もありまして。

試合結果は1-0完封負けでしたが、野上亮磨は完投。涌井よりも長いイニングを投げきり、3被安打1四球という素晴らしいピッチング。
今期ここまでの先発ピッチャーのなかではベストピッチとも言えるピッチングをやったのがかつての量産型涌井、今のライオンズ大黒柱野上亮磨。
負けこそしたものの、どこか期待感あふれる、今シーズンの野上はやってくれるぞという希望を見出す一試合でした。

 

2017-7-3 【○L11-4F●】 5連敗ストップ 復活の主砲、眠りから覚める打線 今こそ逆襲の時 - 人生、東奔西走


先発は新婚・野上亮磨。
ライオンズファンは知っている、野上もまた熱いハートの持ち主だと…。
頼むぞ野上。君が打たれたら、割と凹む人間が全国に点在しているということを覚えていてくれ。
さぁ、勝つぞライオンズ。

 

9/16~9/18の三日間(とあるライオンズファンの備忘録) - 人生、東奔西走

 中でも、野上亮磨。彼の心中を察するになんとも言えない気持ちになります。
2013年の楽天優勝ゲームの負け投手も野上亮磨その人でした。あの日打たれた逆転ツーベースを自分は現地で見ていました。その時、野上を見てるのが辛くて、もうなんともいえない気持ちになったのを覚えています。
その4年後、野球の神というのは心底性格が悪いらしい。めぐり合わせとはいえ、4年ぶりの優勝ゲーム敗戦投手です。
野上亮磨は今シーズン1年間ローテを守ってくれました。それだけでも、ライオンズにとっては替えのきかないピッチャーなんですよ。
悔しくて、寝られない。そういう一晩を過ごしたのかもしれないと思うと、なんというか、こちらの胸も張り裂けてしまいそうな…くっそ、次は優勝ゲームの勝ち投手にしてやりたい…。


そう、俺は野上亮磨というピッチャーが好きだった。


2008年ドラフト2位でライオンズに入団。
2012年にはホークスキラーとして活躍。2013年には中継ぎも含む11勝で初の二桁勝利。その後4年間もローテを守り、2017年には二度目の二桁勝利となる11勝を挙げる。

12年のホークスキラーとしての台頭は、俺を野上亮磨に夢中にさせるには十分だった。
そして、13年の楽天優勝ゲーム。あの日、俺は1塁側から野上亮磨がAJに逆転打を打たれる瞬間をみていた。
その頃から、野上亮磨に対して、強い思い入れを抱くようになったのだと思う。全ては過去のことだ。


去年の岸のFA移籍の時、速攻で移籍が決まり、ダンピングだ事前交渉だルール違反だと心の中で騒ぎまくっていたが、それでも岸孝之はFA移籍することをファン感でファンの前にて表明して去っていった。後ろ足で泥をかけてでていったかもしれないが、それでもまだ撃たれる覚悟があったように思う。

 

去年の速攻FA移籍があって疑心暗鬼になっているのかもしれない。
しかし、野上亮磨。君は今年のファン感のとき、すでに巨人と交渉を始めていたはずだ。そして、あのときすでに巨人が交渉に動いているという報道がでていた。報道がでれば移籍確定という巨人だから、あのときもう話は着いていたんじゃないのか。その上で、悩んでいると言って、あまつさえ浅村にFA獲ったらうんぬんなどと言っていたんじゃないのか。
出ていくなら静かに去ってくれ。岸や涌井にはできていたことだ。そう、細川にも。

 

こんなことを書いている俺はそうとうにひねくれているというか非人道的だと思う。人を疑うことしか知らないんじゃないかと。そうとも全て憶測だとも。もしかしたら本当に悩んでいたのかもしれない。ファン感で野上に残留を決心させるなにかをできなかった俺たちが悪いのかもしれない。

しかし、言わせてもらおう。野上亮磨が想定していた西武ファンの気持ちだって憶測だと言わせてもらう。
またFAか…、また巨人か…、また投手が…。
別に、プロ野球選手はファンのために野球をしているわけじゃないんだから、捨てるチームのファンのため息も落胆も涙も全部ドブに蹴落としながら野球をしていてもいいと思う。
だが、本当に、それを予想していなかったのか…。ルーキーイヤーから…あの08年の輝かしい年に入団してからこっち、君の登板を楽しみにしていたライオンズファンの気持はどうなる。まあ、そんなものは無視してくれていいんだが。


ライオンズはFA移籍が多いチームとよく言われる。ネットにはそれを裏付ける情報もあります。
日ハムと違って困るのは、球団は巨人やソフバンほどの金払いはないけども、宣言残留を認めているし、FA流出阻止に動いている様子がみえることだ。
つまり、残って欲しいという球団やファンの声を振り切って、流出する選手が湯水のごとく溢れてくる球団というわけだ。

 

今年、ライオンズは過去最高の観客動員数を記録した。2021年完成する予定の西武ドームボールパーク構想もぶちあげられた。
俺はライオンズをいい球団だと思っている。でも、選手はそうは思っていないらしい。
夏が暑いのも、冬が寒いのも当然なのに球場に文句を言う。特別低いわけでもない年俸に愛想をつかして他球団に行く。
俺はただ、ライオンズが素敵なチームなのだと信じたいだけなのに、愛するライオンズの選手が俺の希望を踏みにじっていく。お前の応援するチームは魅力がないから出ていくぞ、と。

 

別に12球団、どのチームが良くてどのチームがいけないとかそういうんじゃない。各々自分の贔屓球団が日本一素晴らしいと思っていればいいと思う。だけど、そのライオンズ陣営の中にライオンズの選手は居ないんじゃないかって気がする。みんなみんなあれだけレジェンドブルーのユニフォームを着て野球をしたのに、明日には素知らぬ顔でオレンジの、イエローの、臙脂色の、ストライプのユニフォームを来て野球をしている。
そういえば、鹿取GM(←!)は野上について「巨人のユニフォームがよく似合う」と言っていた。そうかもしれない。でも、オレたちはファッション業界ではなくプロ野球を見ている。そんなに服飾業界に行きたいのなら、今からでも109の門を叩けばいい。ライオンズのユニフォームが似合わないからチームを変わるのだというのなら、それはもう相性が悪かったというより他にはない。

 

多分近々野上は入団会見を開くだろう。
高橋監督か鹿取GM(←!)にYGマークの帽子をかぶせてもらい、報道陣のフラッシュを浴びる。きっと「伝統のあるチームだと思っています。一日も早くチームの戦力となれるように頑張りたい」とか言うんだろう。多分日テレあたりのキャスターさんとかが「奥様はジャイアンツが嫌いと伺ってますが」って質問にカメラマン席が沸いて、壇上では苦笑しながら「でも、妻はこの決断を後押ししてくれました。家族のためにもがんばります」とか言う野上がいるんだろう。
それを見ながら俺は、第二第三の野上亮磨の登場に震えながら、プロ野球と付き合っていかないといけないんだろう。

 

そうなんだろう、そうなんだろう。

 

野上亮磨が石川さんの旦那さんとなるずっと前から、野上亮磨を野上亮磨として認識してきた俺という西武ファンには、今はもう野上亮磨を見送ることしかできない。
せめてリーグが違うのが幸いだったと安心するべきだろうか。

 

いまでも、思う。
野上がライオンズを出て、掴みたかったものは、ライオンズではつかめなかったものなのか?
勝利も、優勝も、日本一も、投手としての栄光も、ファンからの歓声も、譲れない誇りも。それらはライオンズでは得られないものだったのか?
俺にはわからない、野上はわかったんだろう。俺にはわからないけど。

 

愛したピッチャーがチームを去る。これはきっとこれからも続いていくのだろう。
どうしようもない敗北のFA戦線。
通す仁義なんてない時代と儚んで往生って勘弁…。
道なきを道を今日も闊歩。我儘のエンターテインメント…。
極めるもまた一興。

俺の想いはいつも届かない。

 

さらばだ、野上亮磨。