人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

日本七霊山の旅② 山梨県ルート・富士山(2016-7-11,12)

お久しぶりの日本七霊山の旅。

今回は去年の7月に行った富士ご来光登山の様子を思い出しておこうと思いまして。

 

今夏は北アルプス白山、立山にチャレンジするつもりなのですが、山登りの準備をしていると、こう気持ちができあがってきてですね。

 

 

日本最高峰にして、おそらく最も有名な霊山である富士山。

実は去年の富士登山は3度目のチャレンジでした。

 

 

2014年は、朝登って夕方降りてくるという日帰り登山だったので、剣ヶ峰に行く余裕はありませんでしたが、良い天候の中気持ちの良い登山。

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(西口さんの怪我快癒と末永い現役生活を祈っての山頂)

 

2015年は山小屋で一泊しましたが、夜中から下山まで雨に降られて、富士山頂火口をぐるっと廻るお鉢まわりどころか、ご来光も見えませんでした。

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(写真は登山初日の様子。雲の中を進むような感じで眺望0でした。二日目はスマホを出せないくらいの雨だったので写真0です。)

 

そういう過去2回のチャレンジを踏まえた上での第3回。

まぁ、神は試練を与えるものらしいですね。

登山の二日前に成田空港についた瞬間、発熱。

体温は38度にまでいってしまい、完全に風邪でした。

東京に着いてから二日間。薬飲んで寝て、温泉行って…とにかく回復に努めて、当日の朝。

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THE・平熱。倦怠感もなくなっており、山小屋1泊の余裕のある日程。いけると思って山梨にまで向かいました。

今にして思うと、この決断って微妙なとこなんスよね…。実際、体調は回復したとはいえ、病み上がりで登ったのはどうだったんだろうと。

そのあたりの反省を今後に活かしていくとして、ともかく山梨に移動して、登り始めることとなりました。

 

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大学時代にお世話になりまくった懐かしの富士急に乗り込み、いざ富士山。

さて、富士山はその巨大な山体故に多くの登山ルートがありますが、今回僕が使ったのは、1番ベタな富士吉田ルート。
新宿から乗り込み、中央線大月駅で富士急に乗り換えて、富士山駅にて下車。そこから富士山5合目まではバスにて一本。
まぁ、たしかに移動は楽なんですよね。
新宿からだと直接5合目まで行けるバスとかも出ているそうですよ。

 

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そして、肝心の東急ハンズの木材さんと富士山のツーショット。
山頂は雲に包まれてしまってますが、概ね晴れたいい天気でした。
天気予報も雨はないだろうというところでしたので、2015年のようにはならないだろうなと思って一安心。
それでも山の天気は変わりやすいので安心はできませんが。

 

 

さて、富士山にはとある格言があります。

「一度も登らぬ馬鹿に二度登る馬鹿」

一度も登らぬ馬鹿というのは、一回くらい登れよ。というニュアンスでしょう。

で、後者。これは、登った人ならわかると思います。

 

石鎚山や大山、三つ峠などいろいろ登りましたが、富士山って一般的にスタート地点になってる5合目からほぼほぼ森林限界越えているので、片道7時間とも言われる道中。ほぼほぼ一面の岩肌を登っているんで、有り体に言えば飽きるんですよ。

雲海に感動するのも最初1,2時間くらいであとは延々、岩肌に足をかけ、手で支え、歯を食いしばって登るんです。

登山客が多いんで忘れてしまいがちですが、富士山って標高日本一という意味で、国内のどの山よりも高くまで歩いていかなきゃいけない山なんですよね。大変で当然。

 

遮るものがないので、山頂が見えているのに、いつまでたってもたどり着けない。

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(写真は2014年9月9日のもの。天候に恵まれました。)

 

でも、今回登っている理由の一つである七霊山チャレンジの発端を思えば、結構感慨深いものもあります。

目指すべき高みは見えていても、そこまでたどり着くのは簡単なことじゃない。どれだけ大変な思いをしても、いつまでたっても着かないような気がする。

 

僕も最初に富士山に登ったときはそう思いましたね。
延々とつづら折りで続いていく登山道。
それでもね、歩くのを辞めなきゃ、たどり着くんですよ山頂、その目指すべき高み。

 

富士に三回登った大馬鹿者の僕ですが、山頂にたどり着いたときのそういう達成感は何者にも代えがたいものがありましょう。

 

さて、富士山に登った三度とも死に物狂いになるエリアがあります。それがこういう岩場。
ゆるい坂道を延々登り続けてくのは、割りと得意なんですけど、手も足も使わないといけないこういう岩場は本当に苦手で…。
山小屋前のベンチを見るたびに休ませてもらう勢いで、ゆっくりゆっくり登ります。

 

 

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途中の山小屋で、チャイを買って飲んだんですけど、甘いは温かいわですごいいいものでした…。

 

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天気も徐々に回復してきて、えっちらおっちらゆっくり登って登って、この日の宿に到着。

 

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縁起がいいよね、御来光館。

 

ちなみに山小屋の寝床ってこんな感じです。布団一枚分の横幅にザックをかけるフックがあるくらい。

いいぞ、この山小屋感。

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この日は左側が台湾か中国の方。右側に多分フランスかな?という感じの西欧系の方でした。この時期の富士山、非常に国際色豊かです。

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山の夕暮れは非常にノスタルジーでした。
遠くに見える人の灯が、逆に自分がこの自然のど真ん中にいることを実感させるようで。

 

疲れ果てているから案外寝られるんかなと思ってたんですが、どうも、気持ちが昂ぶってしまって。
高山で空気も薄く、乾燥しているのも相まって、息苦しくなってきたので、とっとと登り始めることにしました。

スマホの撮影時間を見ると2時前には山小屋を出発。8.5合目から山頂を目指します。

夜中で真っ暗なので、ヘッドライトを使って登っていくんですが、山頂を目指す人の群れで光の列ができるんですね。
これもまたなかなかオツなものです。

 

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ところで、富士登山について、一つ目の壁が岩場だとしたら、もう一つの難敵が風でしょう。
日本一の高さを誇る富士山は山脈を形成しない独立峰。
その上、森林限界を遥かに越える高さにやってくると、遮るものがなく、標高3000mオーバーの気候で風がダイレクトに吹きすさびます。

前を歩いていた人が風で転倒するのも見ましたし、案外馬鹿にならないです。
僕は体重100キロオーバーですので、そういう心配はいらないのですが、いかんせん風が強くて、息が吸えない吐けないという苦しさが襲ってきます。
ただでさえ空気が薄いのに、呼吸まで邪魔されたら堪ったものではありません。
息を整えつつ、ゆっくりゆっくり登っていくしかないですね。

それでも、ここまでくるとクライマーズ・ハイが入っているのか。辛さよりも、一歩一歩進むことに集中してくようになります。

 

徐々に東の空が白んでいく中。9合目を越えて…

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午前3時54分。とうとう、山頂鳥居に到着。f:id:keepbeats:20170710232521j:plain

そして、待つこと数十分。

 

明けゆく東の空で

目覚める夢の続きが

たとえ違ったとしても 君の歌聞かせて

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Twilight Skyを聞きながら日の出を見ていたんですが、あの日、日本中の誰よりも贅沢なトワスカを聞いた自信があります。

そのくらい素敵でした。御来光…。

黒から紺へ、そして、オレンジへと…あのグラデーションはもう格別です。

 

そして、今回は3年目にして、とうとう剣ヶ峰。富士山の最高峰まで行ってきました。山頂に着いたとはいえ、ここから更に1km歩くんですよ。富士登山…。

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ここまで来たら怖いものもありません。

疲れもそこまで感じなくなってきて、ひょいひょいと剣ヶ峰へ。

 

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さぁ、霊力いっぱい貯め込むんだよー。

というわけで、日本で一番高いところまでやってきた、東急ハンズの木材となりました。

 

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下山中はしんどくて、ほとんど写真を撮っていません。

大砂走りと言われるように、砂地の下り坂を延々下っていきます。

まず、下りのほうが膝への負担も大きいですし、7合目くらいまで来たときには、もう膝ガックガクでした。

砂地でブレーキも効かないので、転倒もしましたしね。こけるときはまず尻もちをつくということと、横にこけないということと、コケて転落しないように崖側を歩かないということ。崖側を歩くと、下に落石が行く危険もありますからね。

そんなわけで、えっちらおっちら降りてきました。

三年目にして御来光も見られたし、非常に満足の登山です。

4回目のチャレンジは…今のところ考えてませんが、多分また行くだろうなぁ…。富士山ってそういう不思議な魅力があります。

 

登っている最中は、この七霊山の旅の原点になってる泰葉のこともいろいろ考えるんですけど、歩いている最中は、結構考えがまとまるので、それもいいですよね。
そして、考えているうちに、いろいろ気持ちが出来上がってきて、登るモチベーションにもなるという、ひとり永久機関の様相を呈していました。

ともあれ、これで日本一の霊峰を踏破。
残すは5峰となりました。

というのがちょうど1年前の2016年7月11日の話でした。

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