人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

2018年九州の旅 5日目

(前日へ:2018年九州の旅 4日目 - 人生、東奔西走)

 

長崎のドーミインホテルにて眠りについてから数日。

今回はあんまり間をあけずに九州旅行の記録を書こうかなと思います。

 

(※この記事を書き始めたのは2月中旬頃であった)

 

 

長崎2日目、九州5日目の朝。

7時過ぎに目が覚めたので、ドーミーインの天然温泉でひとっ風呂浴びてくる。ドーミーインは温泉が一緒に付いてるのがいいね。ホテル併設なので、これまで入ってきた球磨川温泉とかガチモンの温泉には敵わないけど、目を覚ますには熱めのこういうお湯がちょうどいい。

シャキッとしたところで、お楽しみの朝ごはん、バイキングの時間ですな。

いいかい、ビジネスホテルに泊まった時の楽しみは一に朝食バイキングですよ。

ビジホとしては少し格が高めのドーミーインならではのご当地メニューもあり楽しみにしていくと…。

おお、小籠包、皿うどん卓袱料理…。長崎感MAXだ。すばらしい、ドーミーイン長崎、あんたは偉い!御飯と味噌汁という基本スタイルに、ボイルソーセージというビジホ朝食ならではのメニューも選びつつ。完成したのがこちら。

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うーん、ボリューミー。朝からすばらしい一発をかましてくれる。ありがとうドーミーイン。いや、俺は決してドーミーインの回し者ではないのだが。

美味しくいただき、非常に好調な形での長崎の朝のスタート。

 

部屋に戻って荷物をまとめると、チェックアウト。さて、車に荷物をぶちこんだら、11時まで止められる駐車場に車を置きっぱなしにして…、長崎第二の目的地に向かう。

みなさんは長崎のグルメの名物と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

カステラ、ちゃんぽん、皿うどん?自分はここでトルコライスという一品を推したい。

というのも旅行に出発する2ヶ月ほど前、自分のハートにぶっ刺さったSSがあったのだ。

リンク貼っちゃおうか。こちらです(【アイドルマスターシンデレラガールズ】「泰葉「トルコライスは愛・・・ですか」」/「せたか」の小説 [pixiv])

 

こちらのSSで有浦さんオススメのトルコライスをやっつける泰葉をみてから、なんか無性にトルコライスが食べたくなってしまったのだ。

長崎に来てから、岡崎泰葉のことばっかりになってないか?これもプロデューサーという生き方の性なのかもしれない。

ともかくも、トルコライスを求めた自分が向かったのは、大正14年創業の九州で一番古いという喫茶店。こちらが長崎トルコライス発祥のお店と言われているんだね。

 そもそもなぜ長崎なのにトルコライスなのか…。諸説ありますが、はっきりしたところは不明らしい。まぁ、何にせよ挑戦あるのみだ。

平日午前10時前の喫茶店にはお客さんはほとんどおらず、「お好きな席にどうぞ」と促され、入り口すぐ近くのテーブルを陣取る。店内はレトロな雰囲気で静かに音楽とか流れちゃってまぁ…緊張するわ…。これが喫茶店…なんて、大正時代にはじめてカフェーに出会った文明人みたいな顔でぽかーんと待っていると、ほどなくして到着しましたるのが、こちら。

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写真見てるだけで、お腹空いてくるやつだ。この「好きなもの乗っけちゃいました」感。そうそう、こういうのでいいんだよ。食べる時くらい、自分に正直になっていいんだ。と、自分に言い聞かせ、さぁ、やっつけちゃおうと食べ始める。

おそらく、写真を見た時に思い浮かべるイメージの通りの味なんだけど、それがいいんだよ。一口カレーピラフを食べた次にナポリタンを食べられるという贅沢プレート。これがトルコライス

あっという間にやっつけてしまって、腹も心も満たされた。良いお店だった。また長崎に来たときには別の味のトルコライスを食べてみたい。

 

腹ごなし、もとい時間調整も兼ねて、眼鏡橋など冷やかしつつホテルの駐車場に戻る。ここからは再び車移動だ。

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さて、向かう先は長崎市内にある中華料理屋。トルコの次は中華でございます。こちらは長崎ちゃんぽん発祥の地。

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最寄りの提携駐車場に車を停めると時刻は11時過ぎ。開店まで少し時間があるので、近場を散策してみることにする。

すると、出だしからこれ。

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なんだ、この勾配は。長崎は坂の街とはよく言ったものだ。昨日稲佐山展望台から見たときは「この坂に囲まれた街という立地が夜景の手に取れそうな感じを出してるんだよなぁ。」なんて物知り顔で思っていたけれど、いざ歩くと話は別だ。ヒーヒー言いながら登っていく。道沿いには修学旅行生を招き寄せるであろうギンギラギンにさりげなくないキーホルダーを陳列している店だったり、有名人Tシャツだったりが売ってあるお店が並んでいる。

カステラだったり柑橘系のジュースだったり、いろいろあるのだけど、うっかり店頭に近づいてしまうと、そのまま引き込まれてしまうかもしれない。

中華料理屋さんの開店待ちでブラブラしているだけなのだ。

そして、実はこの辺りから財布の中身が寂しくなってきているという事情もある。鹿児島、熊本で食い過ぎだし、前夜も長崎の夜をお楽しみでしたね?街中に停める駐車場代も積もり積もってバカにならない。この辺りは2019夏の東北旅行の反省点にしていかねばなるまい。

まぁ、そういう鋼の意志で坂を登っていくと、あれこれもしかして…大浦天主堂じゃね?と思って入り口の看板を見てみると、確かに大浦天主堂であった。

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そこから更に少し登っていくと、グラバー園がある。

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トーマス・グラバー。長崎の近代造船としての礎を築いた人物でもあり、坂本龍馬海援隊亀山社中)の取引相手でもある。大河ドラマ龍馬伝でも福山雅治と仲良くやっていた…。長崎に入ってから泰葉泰葉と騒ぎ倒していたけど、海援隊発祥の地も長崎である。これは逃せまい。

ちょっと寄るくらいならいいよね…?という感じでチケットを買って入場。

あれ、ちゃんぽんの店の開店に間に合いますかね?いいんだ、時間には余裕がある。

 

グラバー氏だけではなく、当時長崎に在留していた外国人邸がいくつかあるらしく、なかなか見応えのあるスポットであった。

園内には動く歩道エスカレーターも整備されていて、坂の多い街ならではの心づくしであった。

最初の洋風建物が見えてきたタイミングで、園内の人に「ようこそー!ただいま写真撮影の無料サービスを行っておりますー、いかがですかー」と声をかけられた。

普段の自分なら「いえ、結構です…」とか言っていたかもしれないけど、ここは九州旅の途中。それに長崎県民の言うことには逆らえないようにできている泰葉Pの性もある。「いいんですか?じゃあお願いします」と答えるのにそう時間はかからなかった。

撮影スポットである旧三菱第二ドックハウス前の階段に移動するまでの間。

「お客さん今日はどちらから来られたんですか。」「愛媛からやってきて九州旅行の最中でして」「へー、愛媛から!」「いいとこですよね、長崎」「いやー、よかったです!」といういかにも観光ガイドさんと観光客みたいな会話を繰り広げていた。

さて、洋風建築物のドックハウス前の階段にたどり着いて、「じゃあ、その階段の2段目くらいに。はい、そこですね。シャッター切る時に、私が「ここはー?」と言いますので、「長崎ー!」ということで自由にポーズ撮ってくださいねー」

コールアンドレスポンスには自信がある。しかも場所を尋ねる系コールアンドレスポンスは、東山さんのイマココリリイベで練習済みだ。身は芸を助けるとはこのこと。

ガイドさん「ここはー?」俺・ガイドさん「長崎ー!」(パシャ

決まった。これ以上ない長崎コール。人生で長崎コールを入れることはそうそうないだろう、いい経験をした。どうだろう今度有浦さんP、木場さんPと合同での長崎オフ。最後はみんなでグラバー園で長崎コール締め。

ガイドさん「今日はどちらから来られたんですか」P達「○○(津々浦々)からっすねー」ガイドさん「えっ、何この集団は…。(そんな遠くからこられたんですかー)」という光景が目に浮かぶようだ。

 

さて、一枚パシャってもらったあとはゆっくりと園内を見て回る。ちなみにグラバー園内には、リンガー邸もあるのだけど…これってもしかして、リンガーハットと関係あります?関係ありました。リンガーハットの社名の由来はこのフレデリック・リンガー氏。リンガーハットのCMに長崎親善大使ユニットの起用を一本お願いする念を込める。

グラバー邸は順路の後半の方にあるが、一部改修中であった。しかしまぁ、食堂や寝室・浴室などなど当時の生活感を残しつつの展示となっており、近代ロマンが溢れている。ここに明治・大正期の偉人たちが訪れたのかもしれない。それはやっぱりロマンだよなあ。

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ところで、グラバー氏は日本人女性と結婚し、子も授かっている。息子の名は倉場富三郎。園内の紹介では父のトーマスと共に長崎の発展に尽力した人物として紹介されている。富三郎氏の写真を見るとすごいハーフ感があって、長崎の国際都市感に説得力をもたせるものとなっていた。時代がかなり下って連続テレビ小説「マッサン」の時代でさえ国際結婚のハードルが高かったのに、この時代であればいかほどか。

グラバー氏にとってみたら、異国の地・長崎で、このグラバー邸は愛する妻子や同郷の友人らとの心休まる一帯だったのだろうなあ。

そう思って、邸内を見ると、歴史の現場という趣から、とある時代を生きた一つの家庭の空間というふうに見えてくる。個々人の生きた証が寄り集まって歴史になる…この前々日の熊本城の修復に携わる人や南大隅町灯台守の手記が思い起こされる。

 

(※この記事を書くにあたってグラバー親子のことを調べていたところ、富三郎氏が不幸な晩年を送っていたことを知った。第二次大戦中にはスパイ疑惑をかけられ、グラバー邸が戦艦武蔵建造ドックを見下ろせる位置にあったことから生家から退去を命じられ、大戦末期の長崎への原爆投下により故郷が壊滅したこと等も重なり、終戦から11日後に失意のうちに自ら命を断っている。ただ、氏はその莫大な遺産を焦土と化した故郷長崎の復興に充てるよう長崎市に寄付する遺言を残している。最初から最期まで長崎を愛した人であった。長崎を訪れる旅人にはどうか氏のことを知ってほしい。グラバー邸をぜひとも旅程に組み込んではどうだろうか。)

 

感慨に浸っていると、出口がちかづいてきた。

グラバー園、当初予定にはなかった場所だけども、非常に良い場所であった。一人旅のいいところだよね、ふらっと立ち寄った結果、思いがけないものに出会うという。最初、「長崎ー!」という掛け声とともに始まったグラバー園散策は非常に満足の行くものになって…、時刻は12時半に迫ろうとしていた。

 

あぁ!ちゃんぽん!めっちゃお昼の時間帯だ!これは混んでるぞ…。

と思って急いできた道を戻る。建物の写真を見た友人から「新興宗教支部みたい」という私的を受けた中華チックなタワーをエレベータで4Fに上ると、なるほど混んでいる。広いフロアの窓際に6人かけテーブル、中央エリアには4~6人くらいの円卓があり、お客さんで埋まっている。

「こちらに名前を書いてお待ち下さい」と言われて、待つこと10分ほど。あれ?回転早いね!さすが中華料理!

しかも、案内されたのは窓際のオーシャンビュー座席!うっひょー、待ってみるもんだね!というかお一人客にこんないい席座らせていいの?と思いつつ。

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フロア中央よりのテーブルでは、いかにも取引先の接待というようなスーツ姿の集団もいる。すみませんねぇ、1人でこんないい景色見ちゃって…と謎のご容赦を入れつつ、ちゃんぽんを注文し到着を待つ。

これも程なく到着しました。こちら長崎発祥のちゃんぽんでございます。

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実にちゃんぽん。食べてみると海鮮系の旨味がグッと締まっている。麺もちゃんぽん麺で食べごたえが有り、具材もボリューミー。なんといってもスープですな。いやあ、美味しかった。

非常に満足の行く昼食だった。長崎の造船ドックを見ながら、ちゃんぽんを食べる。至福のひとときですよね。いいなー、長崎市民いっつもこんなうまいもん食ってるのか。ずるいぞ。

お会計を済ませると、このちゃんぽんタワーの1階でお土産屋さんもやっているということなので立ち寄る。ここで職場へのお土産と、自分用にカステラとキーホルダーを購入。

これにて長崎市での行程は終了となる。次の目的地の佐世保をカーナビにセットして、駐車場を出る。

 

長崎市。夜景に始まり、中華料理、卓袱、グラバー園、ちゃんぽん…。非常に楽しい街であった。長崎市民の皆さん、1泊2日の間でしたがお世話になりました。今後とも岡崎泰葉をよろしくおねがいします。

 

 

さて、長崎市を出発して北上。次の目的地は佐世保市である。

佐世保に何があるのかというと、海上自衛隊佐世保基地と資料館である。

そして、佐世保基地イージス艦「こんごう」がいるのだ。艦これにおいて金剛を秘書艦としていることもあり、どうにかひと目イージス艦こんごうを見ておきたいという思いもあり、佐世保を旅程に組み込んでいる。

それに佐世保には佐世保バーガーがある。あれは食べてないといけない。一度食べてみたかったのだ。

 

そんなわけで、長崎自動車道西九州自動車道を経由して佐世保入り。

ICを降りたら海自資料館がすぐそこにあったので、まずはそこに入る。こちらは入場無料となっており、資料数も多く見応えがある。

まず、エレベータで最上階に上がり、そこから幕末から帝国海軍、海上自衛隊へ時代と共に下っていく形だ。幕末ブースでは鹿児島の集成館だったり、勝海舟の記述もあり、ここ数日の幕末~明治の史跡を巡っていた記憶が思い起こされる。

つい先程まで長崎の近代造船ドックの礎であるグラバー氏の邸宅にいたこともあり、その辺りも趣深い。

そして1Fまで降りてくると、南極観測調査隊への協力についても資料があった。奇しくも2018年加入者達の選定に頭を悩ませていた時期でもあり、よりもいの小淵沢報瀬に思いを馳せる。

 いやー、なかなか良かったと資料館をあとにして、今度は佐世保港に向かう。

(資料館内は写真撮影禁止につき写真ありません、あしからず)

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佐世保港に向かう理由は、ここから佐世保に停泊している護衛艦が撮影できるということなので。

港近くの市営駐車場が非常にお手軽価格だったので、そこに車を泊めて、相棒のオリンパスPen Liteを引っさげて撮影スポットに向かう。

佐世保港前の公園には「あまくさ」が横付けされていて、基地のある街佐世保のキャッチコピーのとおりであった。護衛艦とか海上自衛隊艦艇のこのグレーのカラーリング、結構好きなんすよね。

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さて、佐世保の海自基地が撮影できるスポットを探し求めて公園内をウロウロする。一応、事前に個人サイト等で調べていたのであたりをつけてそのあたりに。

 しかしまぁ、きれいに撮れそうなポイントには行き当たらない。屋上展望台かと思って、港湾事務所的な建物の螺旋階段を登っていったりもしていた。傍から見たら不審者である。

この世界の片隅に」では、主人公のすずさんが呉軍港のスケッチを書いていて憲兵にしょっぴかれるシーンがあった。俺もあんまり怪しい動きをしていたら、突如としてホールドアップを求められるような事態になったりしないだろうか…。佐世保には米海軍艦艇もいるのだ。

突然「Hey!What's a picture!(おい、何撮ってる)」とか言われて「I'm a simple great  Journey man(違うんです、わたしはただの旅人です)」とか答える羽目になったり…。ただのグレートジャーニーマンって、それホセ・フェルナンデスじゃねーか。助っ人外国人になってる暇があったら、こんごう探さんかい。

結論から言うと、この日こんごうは佐世保にいなかったようで、代わりにこちら手前からじんつう、あさぎりの写真を撮影。上手い人はもっと綺麗に撮れるんだろうけど。

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さて、佐世保を堪能したし、バーガーでも食うか…。と思ったら時刻は17時前になっている。

 

佐世保にまでやってきたもう一つの理由は、本土最西端が佐世保にあるから。

佐世保市街地から25キロほどの神崎鼻岬がそれだ。ここからは車でおよそ40分といったところか。冬の日は短い。本土最西端に沈む夕日を見るなんて結構ロマンチックじゃないか?と夕食を後に回して車で西に向かう。

まぁ、時間に余裕はあるだろ、と思って走り始めたがその考えが甘いことに気付かされるのは数分後。…ラッシュだ。

熊本で、島原で巻き込まれて尚学習していなかった男の末路がこれだよ。

まぁ、閉店時間があるわけでなし、最悪到着さえすれば…。ん?閉店時間?と思ってダッシュボードに入れていた日本四極コインのパンフレットを取り出す。(九州旅行記2日目参照)

日本四極コインの西部門は日本最西端のスーパーマーケットで販売している。そのスーパーの閉店時間は18時!あっ、やっべえ、これ限りなくアウトに近いアウトだ。

このコインのためだけに翌日まで佐世保滞在は残りの行程的にも厳しい。しかし、これを逃せばこの西コインを手に入れるチャンスはもう回ってこないだろう…。というわけで、落ち着きつつも焦りながら西に向かう。

バイパス、山道諸々越えて日本最西端のスーパーに到着したのは18時を少し回ってのことだった。だけど、駐車場に車を止めるとまだ店内からは明かりが!人の声もする!これはセーフじゃろ!と息を切らしながらもドアをガラガラと開ける。

なんだ結構人いるんじゃん、と思ったのもつかの間。あっ、これご近所の中のいい家庭が集まって井戸端会議やってるやつだ。小学生らしき数人が遊んでいて、「そろそろ帰って晩ごはん食べるわよ」的な雰囲気がある。その中に突然、駆け込んできた紺のダウンジャケットの男。場合が場合なら、通報案件じゃんこれ…。ちびっこたちの「なんやこいつ…」の目線の中、レジに進んで「すみません…このコインって売ってますかね」とパンフレットを差し出す。「ああ!コインね!ええ、ありますよ」という感じで、レジ横のコインを取り出す。500円払って、「いやーすみません閉店時間後に」と一言詫てそそくさと退散。ちびっこたちにはどんな目に映っていただろうか。いいか、これがグレートジャーニーマンの姿だ。目に焼き付けておくといい。そして、スケジュールには余裕を持つことの大切さを覚えておいてほしい。

 

まぁ、冗談はさておき、これで時間の成約もなくなったのでいよいよ本土最西端の神鼻崎岬公園へ向かう。

最西端のスーパーから程なく到着。港の近くにあって公園までの遊歩道が延びている。

…延びているが…めっちゃ暗いんだけど!これ!

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人っ子一人いない年末の海浜公園。ただ、波の音が「ザッパンザッパン」とやかましい。月明かりが多少照らしてくれているが、正直めっちゃ怖い。

ここで思い出さなくてもいいのに、とある都市伝説を思い出してしまった。

かつて新潟などの日本海都道府県では「夜の海沿いを1人で歩くと、神隠しにあう」という噂が囁かれていたそうだ。この都市伝説の怖いところは、その後北朝鮮による拉致が明らかになり、あの噂って実は…という話につながるということ。

ただの都市伝説がその実…っていうの怖いんだよな…。なんでこのタイミングでその話を思い出してしまったのか。そのあたりに工作員がいて、みたいな妄想は中学校の授業中に卒業しておけ。

しかし、怖さに拍車がかかってしまった。だからと言ってここまでやってきて「都市伝説が怖くなって本土最西端いけませんでした、ではグレートジャーニーマンの名が廃る。iPhoneのライトを点け、音楽をイヤフォンではなくスピーカーで流しながら、なんなら口ずさみながら進む。工作員、奇人、変質者、ヤンキー、だれが出てきてもぶっ飛ばして車までダッシュ、その脳内イメージを固めながら進む。

傍から見たらどう考えても俺のほうが変な人だったろうな…。とはいえ本当に怖かった。なんで西の端まできてこんな思いしないといけないんだ…と半泣きになりながら、公園のモニュメントまで進んで、写真を撮って駐車場に戻ろうとする。

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というか、本土最西端のモニュメントの西側に普通に民家の明かりが見えるんだけど…。そうか、平戸は九州から陸続きではないから、「本土最西端」は佐世保側にあって、普通に西側に平戸が見えるんだ…。日没に間に合っていても平戸の山裾に沈んでいく太陽が見えただけじゃん…。まぁ…勉強ですよね。このあたりも。


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ともかく目的は果たした。急いで車に戻る。本心はめっちゃ走りたかったけど、これ走り始めると後ろからなにか追っかけてくるのがホラーやパニック映画のセオリー。めっちゃ早歩きで時折後ろを確認しながら戻る。後ろを確認するときもわざとらしく振り返ると、振り返った瞬間に「わっ!」というホラーものの定番のパターンもあるので、iPhoneで「Starry-Go-Round (M@STER VERSION)」を流しながら、「回る回るメリーゴランド♪オッケイオッケイ!」とか口ずさみながらスマホのライト照らして回りながら遊歩道を下っていた。どう考えても変質者は俺だ。

まぁ、ここでブログ記事を書いていることからもわかるように、無事帰ってくることはできた。もう急いで車を発信させる。ともかく人里に、佐世保市街に戻らないといけない。

 

来たのと同じくらいの時間をかけて佐世保港に戻ってきた。港に横付けされているあまくさの光に安堵する。海上の護り…そうだよな、なにを心配していたのか。と気持ちを切り替えて佐世保バーガーの店を探す。お腹も結構空いてくる時間帯であった。まずは港にある佐世保バーガーの有名店に入る。持ち帰りにしてもらって、港のベンチであまくさを見ながら食す。

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これね、写真からも美味さ伝わるでしょう。ほんと、なんだろう…ソースの甘みというか、まぁ美味いんすよ!ボリューム感も噂通りだ!いいぞ!これが佐世保バーガーか!!

ひとつぺろりと平らげてしまって、「まだいけるな…」となったので、佐世保駅にあるという有名店に向かう。ちなみに佐世保駅は日本最西端の駅でもある。


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飲み屋街のたこ焼き店みたいな感じの佇まいで、小さいながらも雰囲気のある佇まいのバーガーショップの門を開くと、良い香りだ…。眼の前で肉とかパンとか焼いてくれるらしい。

スタンダードなメニューを頼むと「サイドメニューはいかがですか?」とのこと。ここは…ポテトでしょう。この前日に北条加蓮も出演するテイルズコラボイベントが千秋楽を迎えていたのだ。「むしろここでポテト食べない理由ある?」というものである。カレー風味のフラポを追加注文する。店内の腰掛けで焼き上がりとかを待っていると、仕事帰りの感じのおっちゃんが入ってきてバーガー3つとポテトを注文していた。きっと家族へのお土産だろう。佐世保のちびっ子はいいなあ、いっつもこんな美味いもの食べられるんだもの。きっと心もビックに育つだろう。

 

さて、でき上がったものを受け取り、先ほどと同じベンチまで戻って食す。


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見てくださいよ、この絶対うまいやろこれ。って感じの逸品。

この二つ目の佐世保バーガーのほうが一つよりもさらに大きくびっくりした。かぶりつくと口の周りにもソースがベタつく。なに知ったことか。旅の恥はかき捨て。佐世保のソースはつけとけ。あまくさに見守られながら2つ目の佐世保バーガーとポテトを完食すると、流石にお腹も膨れてきた。

 

そろそろ移動するか…、とあまくさに別れを告げて車に戻る。

長崎自動車道川登SAまで移動し、この日の行程は終了。

あ、川登SAは佐賀県なので、人生初の佐賀県踏破でございます。

おい、長崎に初上陸時とのテンションの差はどうした。佐賀県永江恭平の出身地だぞ。

まぁ、正直本土最西端でのあの恐怖が結構負担になってましてね、この日も22時を待たずに眠りに落ちていた…はずです。

 

さて、それでは明けて6日目は佐賀・福岡編となります。お楽しみに。

…九州旅行記、平成が終るまでには完結させたいよな。がんばります。