人生、東奔西走

自分の人生の備忘録のつもりで作りました。

背番号13の帰還 夢を継ぐ者の名は高橋光成

あの日、日本中のライオンズファンと共に、彼の人の背中を見送ってから何年が立ったのだろう。

2015年9月28日。西口文也投手が引退して、自分のライオンズファン人生も一つの区切りを迎えた。2017年に源田壮亮大石達也を自分の中の後継に決めて、2018年に松井・栗山・中村らと共に10年ぶりのリーグ優勝。

歩みを止めると、その流れの中においていかれそうになる。西口さんがいない所沢を、それでも進んできた。牧田がいた、秋山翔吾がいる、今井達也が覚醒し、坂田が去った…。

 

そんな中、2018年のオフシーズン。エース・キャプテン・扇の要の一斉流出。全員が自分の意志でチームを去るという中でもたらされた一つのニュース。

渡辺久信GMが発表した背番号変更。背番号13が再び帰ってくる。受け継ぐ投手の名は高橋光成

1年目に5勝を挙げながら、その後ブレイクしきれずにいた若きエース候補。

彼が師と仰ぐ、西口さんの背番号への変更。本人が直接希望したわけではなかったらしい。ナベQがそれと察し、西口コーチへ許可を取り、契約更改の場で本人に告げたのだという。

 

背番号13をください、と今の自分では言えないと思っていた高橋光成の義理堅さ。それを察して、それでもなお期待をかけて変更に踏み切ったナベQ、快く了承しただろう西口さん。三者三様であるが、胸が熱くなるものがある。

 

思えば、あの引退セレモニーの中で、西口さんの背中を一番最後に見送ったのは、高橋光成だった。西口さんがマウンドに残したグラブを拾い上げにいったのは高橋光成だった。あの魂のバトンリレーから3年。埼玉西武ライオンズに背番号13が蘇る。

ふるえて眠れ、球団史上最も愛され、その勝利を最も願われた投手の背番号を継承する若人が、再び孤独のマウンドに上り詰めるために勝負を挑む。

 

その高橋光成のオープン戦初先発登板は本日のホークス戦。

ボールは走っていたように見受けられる。ストレートに差し込まれる場面が多く見られた。柳田のホームランはもう仕方ない。むしろ初回に2失点したあと、4イニング無失点で抑えたことを評価したい。

5回の無死一二塁の場面で、上林に対してインコースのストレートで見逃し三振を取ったシーンはしびれたね。まったく。

フォームは今年から変わっていて、「よいっしょー!」という感じで、ストレートに力が正しく伝わっているような感じを受ける。フォームさえ固まれば大丈夫。高橋光成のポテンシャルを俺はどこまでも信じている。

チームは勝利し、5イニング2失点の好投。勝利投手は高橋光成

 

オープン戦だというのに、すごく熱く燃えてしまった。背番号13は俺にとって、それだけ大変なことなんだよなあ。いやあ、本当に嬉しい。

20年後の俺が高橋光成に対して、かつて西口さんに感じていたような恩を感じることがあるかもしれない。そういう未来がやって来るかもしれない。そのための戦いが始まろうとしている。

2019年シーズンをライオンズのナンバー13が復活する記念すべきシーズンにしよう。そのためにも、高橋光成。ローテを掴み取れ。頑張れ高橋光成。光に成ると書いて、光成。先発ローテ崩壊の危機にうろたえるライオンズファンに差し込む一条の光になってくれ。それができる男であると、俺は信じている。

 

3年ぶりの醒めない夢を、俺にいつまでも見せてくれ。