6/28の沖縄戦の後に、埼玉西武ライオンズ球団から発表がありました。
体調不良により二日前から療養していた、一軍投手コーチの森慎二さんが亡くなられたというニュースでした。
森慎二さんは90年台後半から00年台前半のライオンズ中継ぎ陣を支えた名投手でした。
守護神豊田清との勝利の方程式、森・豊田は今でも鮮明に記憶に残っているというパリーグファンも多いのではないでしょうか。
思い返せばパワプロ2000とか9で、現ロッテ監督の伊東勤で盗塁が刺せないことにしびれを切らして、森慎二をキャッチャーに起用していたのが最も古い思い出です。
その後の森-豊田の勝利の方程式。
映像でパ・リーグの試合を見るチャンスがほぼほぼ無かった00年台前半。
9年に渡りライオンズのブルペンを支えた後に、ポスティングで海を渡り、メジャーに。
まさか、その実戦3球目に肩を故障するとは誰も思っていなくて。
メジャー登板の夢は叶うことなく、帰ってきてしまって。
自分の記憶に次に森さんが出てくるのは、石川ミリオンスターズの監督になったというニュースを聞いたときでした。
当時、元ライオンズ助っ人のクリス・カーターがミリオンスターズにいたということもあって、文化放送斉藤一美さんのTwitterかなにかでその話題を見た記憶があるんです。
指導者としてのスキルを磨き続け、石川ミリオンスターズを優勝に導き、2015年再び、ライオンズ2軍投手コーチとして帰ってきました。
そして、翌年。シーズン途中に、一軍投手コーチに配置転換となり、今年は、主にブルペンコーチとして、中継ぎ陣の整備に尽力されていました。
今年のライオンズの中継ぎ陣は本当に調子がいい。
牧田和久、ブライアン・シュリッター、増田達至の勝ちパターンは言わずもがな。
武隈祥太、大石達也、平井克己、勝ちパターンだけじゃなくビハインドで出てくる投手も便利屋もみな例年にないクオリティで仕上がっています。
亡くなる直前にも、インタビューに西武ドームの夏を越えるためにはこういうピッチャーに頑張ってもらうしかない。というコメントをしていました。
3年に渡る、ライオンズでの指導の成果が実を結んだのが今年の救援陣だったというわけです。
思えば、08年に日本一に輝いて以来、ライオンズのブルペン事情というのは、毎年のように課題と言われてきたところです。
シコースキー、サファテらの助っ人でなんとかしようとしたり、ルーキー牧田をクローザーに据えたり、長田、岡本篤、ミンチェなどがキャリアハイを迎えたりして、勝ちパターンがなんとかなってたときはありました。
けども、ブルペン全体がここまでこう好調なのは、本当にここ10年にないんじゃないか。
我々ファンにはコーチング能力の有無はわかりません。それを知りたければ、選手の活躍を見ればいい。
優勝すれば、その監督は名将だし。いくら采配で勝ちを拾おうとも、シーズンBクラスなら評価はそういう評価になります。
そう思えば、このブルペン陣の仕上がりをみるに、森コーチのコーチング能力は、球団が必要とするものに違いなかったはずなのです。
報知新聞・加藤記者(ライオンズ番記者経験あり)は今回の訃報に触れて、「石川監督時代に、西武フロントから『いつか森慎二の力が必要になる時が来る』という話を聞いたことがある」という旨のツイートをされてました。
本当に、森コーチの力は今のライオンズに必要だったんです。
このニュースを見て、信じられないというのが真っ先にきていました。
その後の球団関係者やコーチ、記者の話を聞いていても、本当に急なことだったと。いまだに信じられないという話を聞きます。
一部記者の話では、休養する直前の福岡での試合前のミーティングで震える手を抑えていたなどの話もありました。
ライオンズのチーム状態がいまいち上がってこない今、体調不良を言い出せなかったのか、それとも本当に急病だったのか。憶測で語ることはしませんが、それにしても、あんまりじゃないかと…。思わずにはいられないんです。
選手としては怪我の後に引退し、それでも指導者としてのキャリアを歩き始めて、その矢先に…。
1ファンとして、全盛期を知る選手が亡くなったというのは残念でなりません。ライオンズファンとして、その投球を忘れずにいたいと思います。
改めて、ご冥福をお祈りします。
ただ一つ。
今シーズン開幕前にチーム全員で神社に詣でに行ったときの森コーチの絵馬がこちら。
森コーチの願いに応えられるように、ライオンズには頑張ってほしい。
そして、コーチに恥ずかしくないようなピッチングしてほしい。